「価値ないズワイガニ」まで獲る日本漁業の異様 深刻な水産資源の減少、資源管理に構造的な欠陥

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北欧・北米・オセアニアなどの漁業先進国では、科学的根拠に基づくTACにより漁獲量を管理しています。それが漁船や漁業者に個別に配分され絶大な成果を上げ、漁業と水産業が成長産業となっています。

日本でも国連海洋法を1996年に批准し、同年にTAC法が成立しました。しかしながら、TACと実際の漁獲量が乖離するなど、資源管理にまったく効果がない運用が長年続いてきました。

獲り切れない大きすぎる漁獲枠では、資源管理の効果はゼロで、乱獲が進みます。その結果、すでにサバをはじめ、消費者にとって魅力がない育ちきっていない小さな魚の割合が増え、資源にとっては「成長乱獲」を起こす最悪の組み合わせとなっています。

北海道で大量発生したズワイガニを廃棄へ

北海道の日高管内でズワイガニ(オオズワイガニ)が大量発生し、カレイ漁の刺し網をかみ切ったり網に絡まったりでカレイ漁に影響が出て、巨額の損害となる可能性が、北海道新聞などで報じられています。

獲れたカニの甲幅は5~7センチで、商品価値がなくほとんど廃棄。北海道は早くも6月2日にはカニの特別採保許可を出しています。また漁業団体は新たな活用策を探るようです。厄介者は有効利用しながら消していく戦略でしょうか?

これだけ資源が減って困っているのに廃棄したり、小型のカニを獲って活用したりという異様な状況です。オオズワイガニというのは、同じズワイガニとして販売されていますが、バルダイ種と呼ばれる高級なカニです。

本来であれば、休漁のための補助金を出してでも、オオズワイガニの資源を守って増やし、将来の貴重な水産資源にする戦略を取るのが得策と考えられます。

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