江頭2:50の「エガちゃんねる」が伝説になった必然 「嫌なことがあったら俺を見ろ!そして笑え!」(前編)
「現場のプロデューサーさんが面白がってくれても、編成でコンプライアンス的に無理になっちゃったり。動画配信メディアさんでは『江頭さんを持ってこられてもね』みたいな反応もありました」
企画が通らない日々が続く中で、藤野は選択肢のひとつとしてYouTubeに目をつける。2019年のことだ。
藤野はYouTubeについては素人だったため、自分の子どもをテーマにしたYouTubeチャンネルを作る。そこでチャンネルの作り方、サムネイルの作り方、アップロードのやり方という基本的なことを学びとっていった。
半年で50本ぐらい配信しながら、何となくYouTubeについて理解できるようになった藤野は、意を決して、江頭に「YouTube、やりませんか?」と話を持ちかける。
「予算ゼロの中、自分たちでお金を出してやってみようかなと思ったんです。江頭さんも『やってみます』って言ってくれました。本当に予算がないので、僕も仲良く、今まで付き合いのある方に何人か相談して、『最初はノーギャラになるかもしれないけど、1年後には何とかみんなにお金を払えるようにするので手伝ってほしい』と。江頭さんだったら……と、みなさん快く引き受けてくれて、ありがたかったです」
こうして2020年2月に誕生したのが江頭2:50のYouTubeチャンネル『エガちゃんねる』である。当初作ったのは「お尻で毛筆を操りながら、チャンネル名を書き上げる」という江頭らしい体を張った内容。これが大ヒット。動画再生数とチャンネル登録者数が驚異的な伸びを見せ、開設9日目でチャンネル登録者数100万人を突破した。
チャンネル人気を支える江頭の人間力
藤野も江頭も、ここまでの爆発的な立ち上がりまでは予測していなかったという。
好スタートを切ったものの、問題もあった。過激なネタだったため、広告が最初つけてもらえなかったのだ(今も『エガちゃんねる』の動画はたびたび、Googleの広告審査で落ちてしまい広告収入が入らないことがある)。
「再生数が多くても、お金が1円も入ってこない。みんな頑張って身を削ってやってるのに、給料が払えないし、続けられないという心配がありました。めちゃくちゃ見てもらえてるけど、めちゃくちゃしんどかったです」
一方、応援の声も大きかった。YouTubeは、広告をスキップするとチャンネルに広告収入が入らない仕組みになっているのだが、その事情を知った視聴者たちが「広告をスキップしないで最後まで広告を見よう」とコメント欄で促していたのだ。
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