無印の対抗馬?レトルトカレーに意外な伏兵 マッサンならぬ「マッサマン」が大ヒット

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価格はすべて150円(税抜)。市場の同等品より約1~2割安い価格設定だという。あらゆる部分でコストダウンを図っているが、特に今回は200円前後のカレーによくある箱パッケージを採用せずに価格を抑えたという。

主婦の「ひとりご飯」ニーズにマッチ?

西友は、なぜエスニック系カレーをここまで本格展開しようと考えたのだろうか。

開発担当の須賀さおり氏

PBで簡便食を強化するにあたり、レトルトカレーを拡充することになったのが、そもそもの始まりだ。市場を調べると、「100円以下のスタンダードなカレーと、200円前後から250円のクオリティの高いカレーによる二極化」(須賀氏)が確認されたと言う。

100円以下のものは「お墨付き」で甘口、中辛、辛口の3タイプ(85円、税抜)をすでに出している。こちらもよく売れており、中辛はレトルトカレーの中で売り上げトップだ(2015年2~3月)。

ならば、まだラインナップにないハイクオリティのカレーで攻めたい。市場で多いハイクオリティ商品は、欧風やチキンだ。エスニック系はちらほら出てきている程度。手堅くいくなら欧風系だろう。だが、「エスニック系に特化したほうが面白い! という話になった」と、須賀氏。西友は、そのCMや販促などから独自色の強さが知られているが、ここでも王道ではなく「らしい」道を選んだのだった。

この選択が、主婦に支持された。「主婦のひとりご飯」での消費率が高いという。須賀氏は、「カフェ風の味わいが、150円という手に取りやすい価格でかなえられるのが人気の理由」と分析しており、こう続ける。「エスニック系のカレーは、食べたいと思っても家では作らない。自分の好きなものを食べたいというニーズにマッチしたのでは」。

確かに、どの家庭もカレーを作るときは、家族全員が食べられるスタンダードなカレーだろう。小さな子どもがいれば必然的に甘口カレーとなりエスニック系などは論外だ。筆者も2歳児がいるので、カレーに限らず刺激物は食べたくても食卓に出しにくい。

大好きな柚子胡椒や島唐辛子は使いきれぬまま賞味期限を迎える。こうした状況において、1回で無駄なく食べきれるスパイシーなレトルトカレーは、ひとりランチにこっそり刺激物を摂取するのに最適な商品だと思う。

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