中国各地の地方政府が実施する開発用地の競売で、活況と低迷の落差が拡大している。2023年5月の競売結果からは、北京市、上海市、広東省広州市、広東省深圳市の4大都市(一級都市)や省都クラスの大都市(二級都市)の多くで平均落札価格が上昇した一方、その他の地方都市では不調が続いている実態が浮かび上がった。
例えば、5月30日に2023年の2回目の競売が実施された江蘇省蘇州市では、募集された9件ブロックすべてが落札された。そのうち3ブロックは、不動産デベロッパーの入札価格が(政府があらかじめ定めた落札価格の)上限を超え、落札者は抽選で決定された。これら9ブロックの落札価格は、最低売却価額に対するプレミアムが平均9.1%だった。
浙江省杭州市では、2023年に入ってすでに4回の入札が実施された。5月23日の入札では、募集された9ブロックがすべて落札。そのうち6ブロックの入札価格が上限を超え、抽選が実施された。同市の過去4回の入札では、落札価格のプレミアムが平均9.4%となっている。
全国ベースの落札面積は縮小
もっとも、大都市ならすべて好調というわけではない。例えば重慶市、山東省青島市、陝西省西安市、江蘇省無錫市などが実施した競売は、最低売却価額での落札がほとんどを占めた。
不動産デベロッパーの立場で見ると、(マンションなどの)開発物件の販売状況はまだ不安定であり、新規案件への投資には慎重にならざるを得ない。このことが、開発用地の競売活性化の重石になっている。
市場調査会社の中指研究院のアナリストである孟新増氏は、「全国ベースで見た開発用地の落札面積は縮小している」と指摘する。同社のデータによれば、年初から5月23日までの時点で、一級都市の落札面積は前年同期比2.7%、二級都市は同18.5%、その他の地方都市は同36.8%それぞれ減少した。地方へ行くほど落ち込み幅が大きい状況だ。
今後の見通しについて、孟氏は次のようにコメントした。
「開発用地の競売は、全国レベルでは依然として(入札不調への)大きなプレッシャーにさらされている。全面復調が実現するかどうかは、(最終需要である)物件販売がどこまで回復するかにかかっている」
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は5月31日
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