中国の不動産市場の回復が、早くも息切れを見せている。2023年2月から3月にかけては、ゼロコロナ政策が徹底されていた時期に蓄積された住宅購入の潜在需要が解き放たれたことで、マンションの売買が活発化。取引相場もコンスタントに回復する「小春日和」が続いた。ところが、4月に入ると価格上昇の勢いが鈍り、成約面積も減少に転じてしまった。
中国国家統計局が5月17日に発表した最新データによれば、北京、上海、広州、深圳の4大都市(一級都市)で4月に販売された新築マンションの平均価格は前月比0.4%上昇し、値上がり率は同0.1ポイント拡大した。しかし省都クラスの大都市(二級都市)では、4月の販売価格は同0.4%上昇したものの、値上がり率は同0.2ポイント縮小した。
中古物件では、さらに失速ぶりが目立つ。一級都市で4月に販売された中古マンションの平均価格は前月比0.2%上昇したが、値上がり率は同0.3ポイント縮小。二級都市では、3月の平均価格は前月比0.3%の上昇だったが、4月は横ばいにとどまった。
半数近い都市で相場が下落
不動産市況の息切れは地域的にも広がっている。国家統計局の調査対象である主要70都市のうち、4月の中古マンションの平均販売価格が前月比で上昇したのは36都市と、前月(57都市)より21都市も減少。一方、4月の平均価格が値下がりした都市は34都市に増加し、全体の半数に迫った。
そんななか、4月の新築マンションの成約面積は大幅な落ち込みを記録した。国家統計局のデータによれば、全国の新築マンションの1月から4月までの累計成約面積は3億7636万平方メートルと、(2〜3月の販売好調に支えられて)前年同期比0.4%の減少にとどまった。ところが、4月単月の成約面積は7690万平方メートルと、前月比48.1%も減少した。
「中国の不動産市場は全体的な調整期に入っている。市場を安定させるとともに、国民の暮らしを守り、よりよくする努力を続けなければならない」。国家統計局国民経済総合統計司(訳注:「司」は日本の中央省庁の「局」に相当)の付凌暉司長は、5月16日の記者会見でそうコメントした。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は5月17日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら