維新・浅田均氏「緊急事態条項の新設は不可欠」 防衛力強化の財源、憲法改正問題をこう考える
塩田:仮に国民が防衛費増額は仕方がないと認める傾向にあるとして、財源がないから、消費税増税しかないという形に持ち込む。狙いは消費税増税では、と疑う声もあります。
浅田:それは財務省の論理ですね。「脅威が増えて、防衛費はこれだけかかります。防衛力をここまで大きくしないと、日本は守れません。そのためにはお金が必要です。だけど、財源がないので、増税を」というのは完全に財務省のロジックですね。
われわれは消費税の5パーセントへの引き下げを公約に掲げています。消費税は下げて、ほかのところで財源を生み出しましょうと唱えています。政治改革もせず、行革努力もいっさいせずに、財源がないから増税というのは、われわれには認められない。
塩田:防衛費との関係で消費税増税論議が出てきましたが、この財源問題を大義名分にして、岸田首相は次の衆議院解散・総選挙を仕掛けるのでは、という観測もあります。
浅田:防衛費にかこつけた増税を狙っているのは財務省で、その魂胆に総理大臣が乗せられるか乗せられないかだと思いますよ。乗せられるばかりになっている。
敵基地攻撃能力より防衛力の整備が大事
塩田:岸田首相は就任時から「在任中の憲法改正の実現」を唱え続けています。現在の日本の安全保障の環境の下で、憲法問題をどうお考えですか。
浅田:日本の安全保障としては、敵基地攻撃よりも、抑止力が利いた防衛力の整備が一番大事だと思います。実際には憲法第9条の第2項をなくすのが一番いいんでしょうね。だけど、安倍さんが問いかけてきて、今の流れでは、第9条の第1項と第2項は残して、第3項を加えるみたいな流れですね。
具体的には「憲法への自衛隊明記」ですが、知っている自衛隊幹部OBが言うのは「一番嫌な言葉が自衛隊」なんです。自分たちだけを守っているようなイメージで、「軍だけを守っている軍は嘲笑の対象」と言う。
自衛隊という固有名詞が憲法に明記されるのは、この上ない屈辱だから、絶対に避けてほしいと言っています。その人たちは「自衛隊明記」には反対です。その人たちの意向を酌んだ次善の案は「実力組織」という表現になると思います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら