「変化を嫌う部下」を動かすための"3つの方法" 「今のままでいい」という反対勢力にはどうする

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たとえば、直径2メートル、幅が1メートルもある巨大で重たい車輪を押したとします。ちょっと押したくらいではびくともしません。チームメンバーが力を合わせて押してみても動きません。あまりに動かないので、「これは動かないものなのではないか」と言いだすスタッフがいます。

そこで、全員が全力を出して押し続けていると、ようやく1ミリ動きました。すると、「これだけ押したのに1ミリしか動かないなんて、やる意味あるんですか」と別のスタッフが言いだします。それでも押し続けていると、1センチ動きました。さらに1センチ、1メートル、ついに1回転し、そこから徐々に弾みがついてグルグルと回転を始めました。

組織の変革は、まさにこんな感じです。「目標を発表するから集まって」と声をかけたら、全然集まらなかったり、聞いている人がつまらなそうにしたり、否定的な意見を言ってきたりします。そして、関係性をつくろうといろいろな取り組みをしていると、反対勢力みたいな人が出てきて、活動を止めようとします。そのハードル1つひとつが、チームづくりをやめる理由になりえます。

チームづくりに限らず、すべての活動は、この「弾み車が回るまでの辛抱ができず諦めてしまったこと」で失敗するのです。身近な例では、私のYouTubeがそうでした。私が始めたのは2020年ですが、その前後で様々な人がYouTubeに参入しました。ですが、今も続けている人はごくわずかです。様々な事情があるとは思いますが、新しい取り組みというのは、途中でやめてしまう理由にあふれているのです。

変化を嫌う人たちは一定数いる

「聞いていた話と違います!」

「やったことないからできません!」

「いやです! やりたくありません」

そんな拒絶反応にげんなりしたことはありませんか? チームづくりが止まってしまう一番の理由がここにあります。変化を嫌う人たちが「抵抗勢力の壁」として立ちはだかるのです。

規模の大小にかかわらず、組織を運営していくうえで変化をしないという選択肢はありません。刻一刻と変わる社会状況のなかで、変化に対応できない組織はその存在価値を失ってしまいます。また、メンバー一人ひとりも、年数を重ねるごとに求められるレベルが上がります。いつまでもスキルアップできない人は本人のためにもなりませんし、チームの足を引っ張る存在にもなりかねません。

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