韓国の「水かけフェス」がタイで超盛り上がる背景 K-POPにも数多くいるタイ出身アーティスト

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その一方で、タイにはK-POPだけではなく、独自の音楽カルチャーもある。「K-POPだけでなく、HIP HOPシーンでもワールドワイドで活動中のMILLI(ミリ)や、韓国歌手ファン・ソユン(SE SO NEONのメンバー)との共作でも知られるタイのシンガーソングライター・Phum Viphurit(プム・ヴィプリット)など、人気、実力ともに申し分ないアーティストは多い。こういった事例は、タイ音楽の多様性と、レベルの高さを証明しています」(WATERBOMB KOREAの担当者)。タイの音楽カルチャーには、世界的にもさらに人気が高まるポテンシャルがありそうだ。

アジアで人気急上昇中のタイのガールズグループ・4EVEも会場を盛り上げた(写真提供:WATERBOMB JAPAN)

本フェスはタイの次に『WATERBOMB JAPAN TOUR 2023』(7月に東名阪で計6日間開催)として日本に初上陸する。日本でもすでに『ULTRA JAPAN』など都市型ダンスミュージックフェスは夏のパリピイベントとして一定層の人気を得ている。また、K-POPはZ世代の女性層を中心に根強い支持を受ける人気ジャンルとして定着しているのは周知の通りだ。

日本では、タイのような水をかける祭りの風習は一般的な大きな行事としてはないものの、エンタメのほか、食やコスメなど生活雑貨も含めて幅広く韓国文化への人気が高いうえ、新しいもの好きの若い世代には韓国発の水かけフェスが受け入れられる可能性は高いと思われる。

フェス大国の日本でどう存在感を高めるか

とはいえ、すでに多くの夏フェスがひしめきあうフェス大国の日本において、特定ジャンルのコアファンを超えてより広い音楽ファン層を呼び込むためには、プラスアルファのフックが必要になるだろう。

タイで伝統文化との親和性から一般層への共感を生み出した成功経験を日本でどう生かすか。それは花火大会や盆踊りなどの夏祭り、浴衣や和装、かき氷やスイカ割りなど日本文化をステージに取り込むローカライズや、韓国と日本の人気アーティストの音楽ジャンルを超えたコラボ、K-POP以外のアジアの若手アーティストの招聘などになるかもしれない。

日本公演の全容発表はこれからだ。音楽とお酒を楽しみながら、全身に水を浴びて非日常を体感する本フェス。新たな日本の夏の定番イベントとして定着するか注目される。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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