【産業天気図・家電・AV】エコ効果剥落に加え、震災による部品供給の停滞が痛手

拡大
縮小

景況感の展望
11年4月~9月 10月~12年3月


 家電・AV業界は活況を呈した2010年度から一転、11年4月~12年3月まで1年間通じて景況感は「下向き」となりそうだ。家電エコポイント政策が終了したことに伴い、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの販売台数減が見込まれる。さらには10年度は記録的な販売台数を記録した薄型テレビも、大幅な落ち込みが避けられそうにない。

当初、7月24日の地上デジタル放送の完全移行までは、2台目需要のテレビ販売が期待されていた。だが、3月11日の東日本大震災で消費意欲が減退。計画停電や節電の影響もあり、家電量販店は営業時間を短縮するほか、テレビ売り場で画面表示を控えるなど節電モードで賑わいがない。売り上げへ影響するのは確実で、想定以上に落ち込み幅が広がる可能性がある。

国内テレビ市場の縮小は、パナソニックやシャープ、ソニー、東芝などへと響くことになる。彼らは総じて成長著しいアジア市場攻略を掲げるが、韓国メーカーなどとの価格競争がきつく、利益を享受するのは容易ではないだろう。

さらに想定外の痛手が、市場拡大に期待が集まるスマートフォンだ。東日本を拠点とする部品メーカーが被災したことを受けて、部品供給がストップする懸念が高まっている。すでに米アップルのタブレット端末「iPad2」の日本発売が延期になったほか、スマートフォン「iPhone5」の世界発売延期もささやかれ始めた。

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