【産業天気図・造船】受注残は3年以上だが、業績はまだ厳しい

2005年1~6月の造船受注は669万総トンとなり、前年同期間の719万総トンに比べ若干の減少となった。世界的な船舶ブームに乗り、03年には全世界で6246万総トン(前年比2倍)、日本全体でも2067万総トン(同59.7%増)とピークを付けたが、造船各社が豊富な受注残を抱えて手控えたこともあって、04年には1550万総トンに落ち込んだ。
 ただ、船価高騰で船主も様子見となってはいるものの、依然として船舶需要は根強い。造船各社は3~3.5年の受注残を抱えていることから、採算の良い物件を選別受注しているのが実態だ。受注状況だけ見れば「ブーム」と言ってよい。
 とはいえ、現在竣工を迎えている船舶は1ドル=120円当時に受注した船価の安いもの。円高に加え、鋼材等の資材高騰が響き、赤字の企業が多い。10月から鋼材値上げの可能性も高く、05年10月~06年3月の収益はまだ厳しい状態が続く。
 06年4~9月も豊富な受注残を背景に、基本的には選別を維持しながら次の受注獲得を目指すことになろう。収益的には、まだ低船価のものが中心のうえ、鋼材値上げも響いており、採算的には厳しい状態にある。ここ1~2年で受注した船舶は鋼材値上がりなどを織り込み、採算は格段に良くなっている。これらの船舶が収益に寄与してくるのは08年からというのが各社一致した見方。08年度は利益急浮上の可能性が高い。
【田中房弘記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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