依頼主の女性は自分の理想と現実の大きなギャップに苦しみ、1人で悩みを抱え込んでいた。周りの人たちも、まさか彼女がゴミ屋敷に住んでいるとは思っていないことだろう。
ゴミ屋敷の片付けを依頼するきっかけは、「火災報知器の点検が来るので」「大家が来るので」といった必要に駆られた理由がほとんどだ。しかし、この女性は自分で片付けることを決意し依頼してきた。
「周りは成長しているけど、私だけ成長していないことに気付いてしまって。結果、10年前とずっと状況が変わらなかった。いざどうすればいいのか悩んでいても、部屋を見せられない。隣に大家さんがいるけど、相談できない。どんどんどうしていいかわからなくなりました。イーブイさんの動画も含めてゴミの情報を見るのがすごく怖くて。ずっと見て見ぬふりをしている自分がいました。
でも、私はこういうことをしてしまう人間なんだって、ちゃんと向き合わないなといけないと思ったんです」
ゴミ屋敷からの脱却、再スタート
作業を開始してからたったの3時間で部屋はまっさらな状態になった。残っているのはパソコンと棚くらいだ。作業中は外に出ていた女性が部屋に戻ってきた。
「すごい……広い……。5~6年ぶりです。ゴミやモノを寄せて、面積作ってという感じだったので、こんなにスッキリしたのは久しぶりです。再スタートが切れそうです」
かつては仕事から疲れて帰り、「私、こんなんじゃないのに」と思いながらゴミの中で眠っていた彼女の姿が目に浮かんだ。部屋と一緒にメンタルも解放されたようで何よりだ。
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