「仕事ができる人」か一発で見抜ける"説明の仕方" 会議で論点がずれていく人がわかっていない事

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説明する女性
物事を「抽象化」と「具体化」して説明できていますか(写真:takeuchi masato/PIXTA)
誰でもスマホや人工知能(AI)で簡単に質の高いノウハウを多く得られる時代、生き残るためにはどんなスキルや能力が有用なのか。本稿では、『「仕事ができない」と言われたらマーケターのように考える』著者で、データサイエンティストであり、マーケターの山本大平氏が仕事ができる人が無意識にやっている「思考法」について解説します。

仕事ができる人は「抽象化と具体化」ができる

私はこれまでの経営コンサルの経験から、仕事ができる人ほど思考する際の「抽象化と具体化の行き来のスピードが速い」という感覚を持っています。

「抽象化」とは、個々の事象から共通点や法則性を見つけ出したり、その共通の本質を見つけ出したりすることです。「具体化」とは、抽象化によって得られた共通点や法則性をもとに具体的な解決策を考えたり、成果を生み出したりすることです。

どちらか一方が欠けていても圧倒的な成果は期待できません。抽象化力に欠ける人は、パターン認識や、何が本当の問題かを考えることがあまり得意ではない傾向があります。一方で、具体性に欠ける人は、あいまいなアイデアの提案に留まりがちです。

では、具体と抽象の思考法ができるようになるためにはどうしたらいいか。それを説明する前に、まず前提としてお伝えしたいのが、この思考法を使う「タイミング」についてです。1つたとえ話をさせてください。

あなたは高校生。文化祭に、クラスみんなで出し物をやることになりました。ほかのクラスをあっと言わせるような、斬新な出し物を企画したいと考えています。出し物を決めるとき、まずはいろんな人の意見を聞いたり、調べたりして、新しいアイデアをたくさん考えますよね。かき氷屋さんがいいのか、お化け屋敷がいいのか、喫茶店がいいのか。こうやってアイデアを発散させる。言い換えると、アイデアの数を「稼ぐ」という段階です。

この段階で、「じゃあかき氷屋さんを抽象化すると……」とか、「お化け屋敷はエンタメだから……」とか、考えませんよね? アイデアを出し終えて、じゃあ最終的に何をするか決めていこうという段階で、「抽象化」という考え方を使います。かき氷屋さんと喫茶店は「飲食販売」、お化け屋敷は体験型アトラクション、もっと抽象化して「エンタメ」になったとします。

最終的な出し物のテーマは、「飲食販売とエンタメを掛け合わせる」に決まったとしましょう。

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