「仕事ができる人」か一発で見抜ける"説明の仕方" 会議で論点がずれていく人がわかっていない事

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何かお題を与えられたときに、抽象化することで「今、なにを考えるべきか」という視点をもつことができ、関係者で論点をずらさずにものごとを進められるからです。先ほどの例でいうと、中華のコックもいないのに、最初からフカヒレを買ってきたりしないですよね?

抽象は木の「幹」で、具体は木の「枝葉」

話は変わりますが、会議でも同じことが言えます。議論をしていくと話が別の方向に逸れることがあります。こういった場合はうまく抽象化ができていないことが多いのです。

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別の言い方をすると、抽象が木の「幹」です。具体が木の「枝葉」です。木の幹をしっかりと認識したうえで枝葉を生やしていく必要がありますが、枝葉を生やすことばかりに意識が行ってしまい、幹とは関係のない枝葉の議論に移ってしまう場合があるので注意が必要です。いくら目新しいアイデアでも、本題(幹)とズレていては、使いようがありません。

会議中に本題から脱線してしまい、気づいたら1時間も経っていて、「今、なんの話してたっけ?」とならないためにも、「具体と抽象の行き来」は必要なのです。

ここまで読んで、実際に具体と抽象の思考法をどうやるかわからないという声もあるかもしれませんのでさらに細かい説明を付け加えておきます。わからないのは、もしかしたら「具体」のイメージと「抽象」のイメージができていないからもしれませんから。

「ニンジン」を抽象化すると「野菜」ですよね。これは誰でもできるはずです。なぜならあなたがニンジンは野菜だということを知っているからです。2+2=4という答えを出せるのは、1+1=2だということを知っているからです。

具体と抽象も、これと同じです。何が具体で何が抽象なのか。どうすることが具体化で、どうすることが抽象化なのか、知ることで思考できるようになります。

あなたの身近にも、具体と抽象で構成されているものが多くあります。お店でラーメンを食べたいけれど、節約してコンビニのカップラーメンを食べることも、温泉旅行に行きたいのを我慢して、近くのスーパー銭湯に行くことも、帰省をしたいけれど、交通費がかかるので電話で我慢することも、そうしようとするあなたの頭の中では、具体化と抽象化の作業が行われています。

ポイントは、今、具体化して考えるフェーズなのか、むしろ抽象化して考えるフェーズなのか、混同しないこと。まずはこれが「シンプルに考える」ための第一歩。けっして難しく考えてはダメです。

山本 大平 経営コンサルタント、F6 Design代表取締役

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やまもと だいへい / Daihei Yamamoto

2004年京都大学大学院修了後トヨタ自動車に入社。エンジニアとして新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つ。その後TBSへ転職。日曜劇場、SASUKEなど、注力番組のプロモーション及びマーケティング戦略に従事。アクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を経て、マーケティング総合支援会社F6 Design創業。ChatGPTを含めたAIの利活用や経営に資するマーケティング戦略のプロ。アコーディア・ゴルフ執行役員CMO、DMM.make AKIBA戦略顧問、SCENTMATIC戦略顧問/CMOなど、大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任/兼任中。『トヨタの会議は30分』は初著書ながら10万部を突破。

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