「仕事ができる人」か一発で見抜ける"説明の仕方" 会議で論点がずれていく人がわかっていない事
では、テーマが決まったところで、飲食販売とエンタメを掛け合わせる何かを具体化していくために、次は抽象を「具体化」させる作業に移っていくはずです。
そして、クラス全員で、「お化けの仮装をして、喫茶店をする」というアイデアが決まりました。やることが決まれば、後は飲食メニューを考えたり、お店の看板をつくったり、準備をする段階に入ります。
しかし、残念ながら、文化祭当日、お客さんは全然来てくれませんでした。その理由が「お化けが接客していて気持ち悪いから」だとしたら、抽象化の段階で、「度を超えたお化け=エンタメ」と考えてしまったのが間違いだったということができます。
「お化けの接客は楽しそうだけど、売られている食べ物がおいしくなさそうだったから」という理由だとしたら、具体化の詳細を決めていくフェーズで間違いや見落としがあったのかもしれません。抽象化の方法が間違っていたならば、その後にどれだけ頑張って施策や対策を具体化しても、いい結果には結びつきません。
「具体⇔抽象」をよりシンプルに
具体と抽象の行き来は料理に似ています。抽象化を料理のジャンル(中華、和食、イタリアンなど)、具体化を料理名(フカヒレスープ、カツオのたたき、ナポリタンなど)だと仮定してみましょう。
例えば、中華料理を選んだとしても、周囲に中華料理店がない、あるいは家で中華料理をつくれる人がいないといった場合には、そのアイデアを実現すること自体が困難です。
「そうしたい」という話と「そうできる」という話は別物です。アイデアがたくさん出された際にそれがどれだけ目新しく、誰もが「面白そう」「やってみたい」となったとしても、「できなければできない」というオチが待っています。
そのため、発散したアイデアからどれかを絞り込む段階では、今度は「できるかどうか(フィージビリティ)」を確認する視点が必要です。ビジネスならば、人的リソース、予算、損益分岐点など多種多様の項目を確認し、「できるかどうか」「勝算はあるかどうか」までを吟味したうえでアイデアの絞り込みを行う必要があります。
そのうえではじめて、絞り込んだアイデアの詳細を具現化する、という手順です。
当然ながら具現化の際にも「課題」が立ちはだかります。そもそもフカヒレが手に入らない、コロナ規制で店が開けない、といった外部環境による課題も立ちはだかります。その際にはまた話を一歩手前に戻し(抽象の方向へ)、そうやって具体と抽象を行き来することを行うのです。
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