混迷「小僧寿し」、これだけある再生への難題 ついに経理・決算担当者までいなくなった!?

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小僧寿しの店舗内

が、これが裏目に出て、2012年度は上場来最悪(当時)となる営業赤字6.4億円を計上。希望退職や店舗改廃といった大規模リストラへと舵を切るが、それでも業績は上向かず、結局会社を手放した。

昨年5月には、木村氏の後を継いだ商社出身の社長の下で適切な手続きを経ない支払いが行われるなど、不祥事が発覚。社内調査委員会が立ち上がるという事態に至った。この社長は同年8月に退いている。

現在の筆頭株主は、技術者派遣を営む夢真ホールディングスの会長兼社長である佐藤真吾氏の関連企業。夢真グループは、木村社長時代から株主として小僧寿しにかかわるようになっていた。佐藤氏は昨年8月に社長に就任すると、株主だけでなく客、FC、取引先、従業員など社内外を問わず「経営方針に関する意見」を広く募集して、話題を呼んだ。

新陳代謝を進めて再生を図る

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大皿特上盛4人前

大株主と社長が目まぐるしく移り変わった小僧寿しだが、ここに至ってようやく佐藤氏が会長、夢真出身の磯村明彦氏が社長という体制に落ち着いている。

昨年の不祥事や年度末時点での内部体制不備という反省を踏まえ、この4月からは外部有識者なども加わる「業務適正化委員会」を立ち上げ、ガバナンスの改善を進めている。

事業そのものの再生に向けても、新体制は昨年11月に事業計画の基本方針を打ち出している。そのキーワードが「新陳代謝」だ。時代にあった食のニーズを追求し、従来の枠にとらわれない事業ドメインの再構築を目指していくという。

2014年度は9.2億円の営業赤字に沈んだが、2015年度は店舗運営費や物流費の削減、人件費の減少、新規業態の貢献などにより、2.5億円の営業黒字へ転換する絵を描いている。

かつてはFCを含めて2000以上を誇った持ち帰りずしの店舗数も、2000年代後半には1000店を下回り、その後の相次ぐリストラで2014年12月末には直営、FCがそれぞれ200店余り(計430店余り)にまで縮小してしまった。事業計画では、直営店のうち、不採算の100店舗をさらに順次撤退し、黒字店だけを残す体制に刷新する。一方で、新業態開発を進めていく方針だ。

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