混迷「小僧寿し」、これだけある再生への難題 ついに経理・決算担当者までいなくなった!?
新業態として、まず乗り出したのがラーメンだ。「麵や小僧」と銘打ったブランドで、昨年12月1日に千葉県市川市の京成八幡駅近くに1号店をオープンした。
とはいえ、ラーメン業態は参入障壁が低く、個人経営の「こだわりの店」が強い。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎・主席研究員は、チェーン店が一定以上の規模に成長するには「幸楽苑のように個人店より3割以上安い、ハイディ日高のように加えて立地にも優れる、といった“チェーンならではの強み”が必要」と解説する。
この点について、「麵や小僧」の担当者は「値段と食べごたえのバランス、クオリティで勝負したい」と意気込みを語る。すし業態からの参入というイメージも生かし、スープは魚介のすっきりした風味を軸に、背脂も加えてコクを出す。現在はラーメンが税込みで620円だが、「このゴールデンウィークにも、こうした特徴を生かしたしょうゆラーメンを500円で投入できるよう準備中」(同)という。
ラーメンの出店は想定より遅れる
ただ、新展開には気掛かりもある。すしから撤退した店舗の半数を業態転換し、今年6月までに50店以上と急ピッチの立ち上げ計画を掲げていたにもかかわらず、現時点の店舗数は10店。会社側も「計画よりもペースが鈍っている」と認める。業態転換を思い描いていたものの、ラーメン店の立地としては成功が見込みにくい店舗がいくつも出てきたようだ。
小僧寿しとしては、500円ラーメン投入を機に、新規の立地開発を含めて出店を加速したい腹づもりである。ただ当然ながら、持ち帰りすしとラーメンでは多くの面で勝手が違う。業界関係者の中には「新業態や店舗、商品開発の人材やノウハウが足りないのでは」と懸念する声もある。
黒字店舗だけを残す方針の持ち帰りすし業態にしても、競争環境は相変わらず厳しいようだ。最近は回転寿司だけでなく、「銀のさら」など出前ずしの台頭もある。前出の鮫島氏は「近頃はスーパーでも一時ほど持ち帰りずしを強化していない」と言う。
厳しい状況下に置かれているのは、直営よりもFCだ。2013年11月には横須賀小僧寿し、2014年12月には小僧寿し山陽グループが、それぞれ倒産している。屋台骨である持ち帰りずしが、さらに地盤沈下を起こすおそれもある。
長らく続いた赤字体質から脱却するのは容易でない。攻守ともにスピード感を持って進めていけるかが、小僧寿し再生のカギを握りそうだ。
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