あった! それが「起業でも、ベンチャーへの参加でも、ストックオプションをくれる会社への転職でもいい」の部分に該当する。
安全にレバレッジを利用できる「4つの機会」とは?
少し整理してお伝えすると、以下のような4つの機会を探したい。
(2) 起業に早い段階で「自社(自己)株への権利を確定して」参加する
(3) 給与やボーナスの大きな部分を自社株ないし自社株のストックオプションで支払ってくれる会社で働く。主に外資系企業に多い
(4) 起業の初期段階で出資させてもらう
簡単に解説しよう。起業して、その会社を株式公開にまで持ち込むことは、数十年前と比べて、はるかに容易になっているように見える。ただし、自分がトップの立場で起業に関わりたいかどうかは本人の性格や資質による。息子がそうであってもいいが、「自分で起業せよ」と強く求めたいとは思わない。
むしろ、知り合いの起業になるべく初期のメンバーとして株式の権利を持ったうえで参加することが有望だろう。息子には、「なるべく頭のいい奴、面白い奴と付き合え。君がその分野の天才でないとしても、天才くんたちは仲よくしてくれるだろうし、君の役割は見つかるはずだ」と伝えた。
(3)は会社の制度により、また会社の成長段階によっても差があるが、理想は「1990年代のマイクロソフト」のような会社だ。
実は、筆者の妹(11歳下)は1992年に兄の助言に従い、同社に入社して約10年勤めた。すると10年目には、FIRE換算では現在の全国勤労者の平均所得ベースの暮らしが可能な資産をストックオプションで持っていた。
彼女の同期には、その時期に彼女の何倍かのオプションを持っている者もいたという。ちなみに、妹はその後に「守りに入る」ことは一切なく、あれこれの経緯を経て現在独立して小さな会社を持っていて、経済的には兄よりも裕福な暮らしをしている。
現実的には、当時のマイクロソフトのような絶好の条件の会社を見つけることが難しいかもしれないが、ある程度成熟した企業でも、自社の株式で大きな報酬をくれる会社には有利な点がある(あとで説明する)。
(4)は(2)に近いが、自分が直接にそこでは働かないケースだ。外部のアドバイザーとして関わるというような関係もありうるだろう。人的にいい縁があると、「絶好の出資チャンス」を手に入れることができる場合がある。ただし、この場合も、借金をしてまで出資してはいけない。
さて(2)と(3)のケースを中心に考えるとして、「株式性の報酬」に期待して働くことは、アップサイドが大きい一方で、ダウンサイドについては「最悪、自分がクビになる」という程度の「十分安全なリスク」にとどまることが、「極めて有利なレバレッジ」になりうる。なお、(1)起業家にも、失敗しても何度の起業を試みるたくましい人がいることは、読者もご存じだろう。
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