「バービー人形」批判とアジア系お人形誕生の必然 「素朴な疑問」を掘り下げて洞察を獲得する技術

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お人形
アメリカンガールのコリーヌ・タン(撮影:山脇秀樹)
ドラッカーのマネジメント、ミハイ・チクセントミハイが発見した「フロー」、シュンペーターの創造的破壊、デザイン思考、こうしたビジネススクールで教えている内容を利用して、自分の人生戦略、ライフプランをつくる授業。ビジネスマンならぜひ一度、聞いてみたくなる授業だ。
そうした授業を書籍で再現したのが『15歳からの人生戦略』。著者はドラッカー経営大学院教授の山脇秀樹氏。今回は着せ替え人形の変遷・変化を題材にして、戦略の立案に不可欠な洞察(インサイト)の導き方を解説してみたい。

多様性の面から避難を浴びるバービー

日本で着せ替え人形と言えば、リカちゃん人形ですが、アメリカを代表する着せ替え人形は、マテル(Mattel)社のバービー(Barbie)人形が、多くの方の頭にパッと浮かぶと思います。

15歳からの人生戦略: ドラッカー経営大学院教授の「未来をつくる」授業
『15歳からの人生戦略』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

1959年にアメリカで導入されたバービーのアイデアはオリジナルではなく、ドイツのリリ(Lilli)人形がその先行モデルでした。 

バービーは1950年代後期から1960年代にかけてのアメリカを象徴するように、ウィスコンシン出身で、金髪で白い肌、体型も原寸にすると5フィート9インチ(175cm)の並外れた容姿です。

初年度の製品は35万体の販売を記録し、それ以来、今日に至るまで生産販売されています。バービーも今や60歳を超えています。

アメリカの人口構成の変化、人種問題、そしてグローバリゼーションを考慮に入れて、これまでに何度もイメージチェンジを試みてきています。肌の色の違うバービー、金髪ではないバービー、着物をはじめとして民族衣装を着たバービー等々です(Robin Gerber, Barbie Forever: Her Inspiration, History, and Legacy , Bellevue: Epic Ink, 2019を参照)。

そうは言うものの、いわゆる氏素性は隠すことができず、多様性という面からは、近年、批難を浴びているのは仕方がないところです。バービー人形の姿は、「大きくてパワーのあるものは良いものだ」主義、アメリカのマッチョ主義にも相通ずるものがあると言ってもよいかと思います。

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