「バービー人形」批判とアジア系お人形誕生の必然 「素朴な疑問」を掘り下げて洞察を獲得する技術

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少しじっくりと上の写真のコリーヌがしていることとそのプロファイル(人物像)を観察してください。そして思いついたことをいくつかあげてみてください。

何を思ったでしょうか。

「雪の中をハイキングしている」「犬を連れている」「妹がいる」

「髪は黒いようだ」「アウトドアが好き」でしょうか。では、顔つきはどうでしょうか。

コリーヌはアメリカンガールの2022年の新作です。顔をよく見ると、どうも目つきと顔の輪郭からアジア系の女の子のお人形のようです。アウトドアが大好きで活動的で、実は黒い髪に青のハイライトを入れていて、自分を表現するのをいとわない現代的なプロファイルの女の子です。

観察から生まれた素朴な疑問を深掘り

このお人形を観察してみて、あなたの頭に湧いた素朴な疑問は何でしょうか。「『アメリカンガール』で、何でこのプロファイル?」あるいは「アメリカにアジア系のお人形ってあったっけ?」でしょうか。こうした疑問を少し考えてみましょう。

日本と違い人口高齢化が比較的ゆるやかなアメリカでは、人口高齢化とは別の人口動態の変化、たとえば人種構成の変化が重要な長期的トレンドです。

特に人種構成比率のトレンドがこの40年間に大きく変化してきている州としてカリフォルニア州があげられます。1980年にはカリフォルニア州の人口の7割近くが白人でしたが、その比率が徐々に低下し、2017年には4割を切っています。

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