東大生実践「ここ一番」で焦る人の不安消す秘策3つ スケジュールを使って感情を物理的にコントロール

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いかがでしょうか。本番直前になって迷いをなくすためには3つのS、つまり「スピード」を重視して、「シンプル」に考え、そして「システム」的に物事を処理していくほうがいいということでしたね。そして、そのためにスケジュールで考えていこうという話でした。

実際、直前期は学校や塾で管理されたスケジュールを実践していたという東大生はとても多いです。自分でその場であれこれ考えるのではなく、とにかくスケジュールを決めてしまう、という1カ月を過ごしたおかげで東大に合格できた、という人はとても多いのです。

直前の時期になると、漠然とした不安が襲ってきます。これはとても厄介なものです。漠然としているからこそ言語化できず、払拭しようと思っても、うまくいかないことのほうが多いわけですね。

そういうときは、対症療法でしのぐしかありません。その方法として有効なのが、スケジュールを決めきって、シンプルなシステムどおりに物事を進めていくということです。

やるべきことを決めて、システムで自分を縛る

ギチギチにスケジュールを固めて、何も考えられなくなるくらい予定を決めきってしまうのです。手帳を用意して、そこにとにかく予定を入れまくっていくのです。漫画の中では学校で対応してもらえていましたが、自分でスケジュールを決めてしまってもいいでしょう。

『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ちょっとした空き時間にも「読書」とか「軽食」とかそういう、「その時間でやるべきこと」をすべて決めていきます。こうすることで、「悩む時間」を物理的になくすわけです。

また、自分が悩みがちな時間を見つけて、そこに予定を入れるのもいいと思います。「夜に悩みがちだな」と思ったら、「じゃあできるだけ夜に人との予定を入れるようにしよう」といったことを考えていくわけです。

1人の時間を減らしてもいいでしょう。うっとうしいと思うかもしれませんが、多くの人と同じスケジュールで動くようにするのは、自分を上手に縛ってくれます。そういう意味で、誰かと勉強することは有効だといえます。また、友だちなどとの予定を入れまくって、1人でいる時間を減らすのもいいでしょう。迷う瞬間、孤独を感じないように物理的に自分を縛るわけですね。

やるべきことを決めきってしまって、システムで自分を縛る。これがとても有効な場面が、みなさんの人生においても必ずあるはずです。ぜひ参考にしてみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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