「クロストレック」走りだけじゃないデキの良さ 商品性の高さも絶妙でポテンシャルは高い

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実車を見比べてみる機会もあったのでしげしげと眺めてみると、クロストレックはフェンダーまわりを中心に、黒い合成樹脂製のクラディングがついているため、ホイールハウスが大きく見える。

ホイールハウスを大きく見せることで、クロカン4WD好きなアメリカ人が好む、いわゆるリフトアップしているイメージが強くなる。やっぱり、インプレッサとは狙いが違う印象だ。

クラディングがつかず車高も低いインプレッサのエクステリア(写真:SUBARU)

北米向けにスバルは、日本仕様とほぼ同一の「Crosstrek(なぜか英語)」を2022年9月に公開したあと、2023年4月6日に「Crosstrek Wilderness(クロストレック ウィルダネス)」を追加している。

クロストレック ウィルダネスは、クロストレックより36mm高い、236mmの最低地上高を持ち、外観もクラディングが大型化していたりグリルがよりマッシブになっていたりと、迫力が増している。

さらにワイルドなデザインを持つウィルダネスは日本導入に期待したい(写真:SUBARU)

変速機の制御に感心しきり

車名にたがわずクロスカントリー的なイメージが強くなった新しいクロストレックだけれど、オンロードで乗ってみるとこれがすごくいい。かなりの高得点だ。

パワートレインは、2.0リッター水平対向4気筒ガソリンに電気モーターが発進時や加速時にトルクを積み増すマイルドハイブリッド。スバルが「e-BOXER」と呼ぶシステムだ。

純ガソリン車はなくなり、e-BOXERのみとなった(写真:SUBARU)

駆動方式は、前輪駆動と全輪駆動(スバルではAWDと呼ぶ)。スバルによると、全輪駆動モデルのオーダーのほうが圧倒的に多いらしい。

クロストレックのどこがいいかって、加速感を含めたエンジンフィール、変速機の制御、ステアリングシステムと足まわりの連携のよさによるハンドリング、それに乗り心地と静粛性……と、あらゆるところがいい。

高速道路での直進安定性も高かった(写真:SUBARU)

エンジンはごく低回転域からもたつきを感じさせないし、回転の上昇もスムーズ。感心したのは変速機の制御で、オートモードでの加速感はマニュアルモードで変速するよりナチュラルだ。

今回は、ボディ構造を見直して、ハンドリングに貢献する部分にいろいろ手を入れたと説明された。たとえばボディは、構造用接着剤の使用面積の拡大によって、単に剛性アップを図っただけでなく、カーブを曲がるときなど路面への追従性などに影響する“しなやかさ”を生むことに成功したとされる。

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