ただ、1000万円稼いでいる女性にしてみたら、年収400万円の男性には目が行かないだろうし、日常でのお金の使い方も違ってくる。やよいは、こんなことも言っていた。
「例えば温泉旅行に行くときに、たまにするぜいたくなのだから、1泊2万〜3万円の旅館に泊まって、おいしいものが食べたい。そんなときに“それは無駄遣いだ。安宿でいい”というのは、私の価値観とは合わない。そうかといって彼の分まで私が出して旅行をするというのは、ちょっと違う気がするんですよね」
“あるほう”が“ないほう”の分のお金を出す。“あるほう”が男性で、“ないほう”が女性ならば、これが成り立つのだが、アラフォー女性が育てられてきた日本の環境下と、親からの刷り込み教育のもとでは、お金がある女性がない男性の分を出すという夫婦関係は、なかなか成立しにくい。
そうなると、高学歴、高年収、コミュ力があって、見た目がきれいなアラフォー女性には、結婚相手になる候補者が極端に少なくなる。つまりお見合いしても、自分が気に入った相手がいないということになるのだ。
婚活よりも仕事を優先する
2つめの結婚しづらい理由は、とにかく仕事が忙しい。これは、40代の独身女性に多い傾向だ。
組織の中で、女性でも役職のついた仕事を任されるようになるのが、この年代。課や部の長、新人の教育担当、企画プロジェクトのリーダー就任など。一昔前は役職がついてリーダー的立場になるのは、圧倒的に男性が多かった。しかし、今の時代、仕事にやる気のない男性を昇格させるなら、やる気のある優秀な女性に任せたほうがいいと、会社も考えている。
さとえ(44歳、仮名)は、メーカーの課長職についている。33歳から4年間付き合った恋人がいたのだが、彼が地方に転勤となり遠距離恋愛になってからは、だんだんと連絡が途絶えるようになった。
そうなると気持ちも離れていき、2人で話し合った結果、恋人関係を解消した。そこから新しい相手を見つけようと思っていたが、出会いがまったくないまま43歳になった。
「ウィークデーは、家と会社の往復。たまに女友達と夜に食事しても、なんの出会いもない。20代や30代の頃は、女同士で飲みながらご飯を食べていれば、男性グループが『一緒に飲みませんか』と声をかけてくださることもありましたが、40歳を過ぎるとそれもなくなる。もう普通に生活していたら、出会いなんてないのだと悟りました」
これは、昨年入会面談に来たときの言葉だ。そして、「このまま1人で歳をとっていくのは寂しい」と言って、婚活を始める決意をした。その際、こんなことも言っていた。
「結婚したいという気持ちのある男性に出会っていくのが、結婚への1番の近道だと思ったんです。ならば、結婚相談所ではないかと。恋人が欲しい、遊び相手が欲しいという男性に出会ってその人と恋愛したところで、未来に結婚がなければ時間の無駄ですから」
こうして始めた婚活だった。最初は来た申し込みを積極的に受けたり、自分からも申し込みをかけたりと、とてもアクティブに活動をしていた。ところが、見合いしてもしても、なかなか自分から好きになれる相手に出会えなかった。
「結婚相談所にいる男性って、本当に結婚したいという気持ちがあるのでしょうか。交際になっても連絡を入れるのは、いつも私から。デートの約束をしても、場所も時間もお店も、すべてこちらに丸投げしてくる。やる気がまったく感じられません」
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