出会いは「占い」アラフォー男女が結婚に至った訳 「夫たるもの・妻たるもの」からも解き放たれ…

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一方の亮介さんはコミュニケーション上手のように見えるが、実は生きづらさを抱えてきた人だ。学校を出てから自衛隊に入隊し、6年間ほど勤務。「毎日が合宿」のような楽しい日々だったようだが、一般社会には馴染みにくい青年だったようだ。除隊後に東京の企業で働いているうちに精神的に病んでしまい、引きこもるようになった時期もある。それだけに奈津美さんの生き方には強く惹かれるものがあったようだ。

「奈津美さんのブログ記事を読んでいて、自分の気持ちに正直でありながらも相手を傷つけずに伝えることができる人だと感じました。実際、人間としてのあり方が真っすぐな女性です。嫌なことは嫌だとハッキリ言えます。僕は彼女のように勇気を持って表現して行動することに苦手意識があるので……」

「よかったら近くの神社まで一緒に行きませんか」

尊敬の念を隠さない亮介さんに奈津美さんが嫌な印象を持つはずがない。占い鑑定後、「よかったら近くの神社まで一緒に行きませんか」と誘った。

「普段はお客さんを個人的に誘ったりはしません。でも、結婚するなら占い好きな男性がいいな、とは思っていました。世の中には占いに偏見がある人もいるからです。私も相手を変えようとは思わないので、相手からもあれこれ言われたくはありません」

亮介さんは占い師という職業を否定するどころか尊敬して応援してくれる。すぐに好きになって結ばれた奈津美さん。占いで生活費を稼ぐのは自分で、亮介さんのほうは主夫として家事を担っている。

「私はお金にすごくゆるくて、あるだけ使っちゃうタイプです。亮介さんがお小遣い制にしてくれたので安心感があります。カードローンの返済ができるようになって、今では貯金もできています!」

聞き上手で和風美人である奈津美さんは、いわゆる良妻賢母的な役割を期待されることが多かったのだと思う。しかし、中身はかなり破天荒な人なのだ。試行錯誤の末にようやくつかんだ占い師という仕事をセーブするつもりもない。

「以前は結婚生活への思い込みがあり、女の私が料理を毎日しなくちゃいけない、などと思っていました。亮介さんに家事をやってもらえて仕事のサポートをしてもらえる今は気持ちがすごく楽です。もちろん、亮介さんがやりたい仕事を見つけたら私も応援します」

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