結婚はぜひしたいけれど婚活はしたくない、という人も3カ月間ぐらいは婚活をしてみたほうがよいと思う。相場観を養うことができるからだ。
現時点で結婚相手を真剣に探している独身の異性はどんな人たちなのか。そして、その中で自分に興味を示してくれるのはどのような人たちか。結婚相手探しという場における自分の位置づけをおおよそ知ることができる。そこで意外なよき人と巡り合えるかもしれないし、結果が出なかったとしても「婚活外」での出会いにこの相場観を生かせる。今回はその好例が登場する。
うまくいかない婚活と母親からのプレッシャー
都心にオフィスを構える有名外資系企業で働く桑田純子さん(仮名、40歳)は、取材場所である品川のレンタルスペースに赤いワンピース姿で現れた。太めの銀のネックレスとイヤリング、明るい色に染めたロングヘア。よく似合うけれど、かなり派手めの印象を受ける。しかし、4年前に結婚した相手の隆明さん(仮名、38歳)は「真面目な学究肌」の外見で、「社交的だけど女性慣れはしていない」らしい。婚活どころかゆるめの合コンなどにも縁がなく、男友達とつるむのが日常だった。
隆明さんのことは後で触れる。都内の実家に長く暮らしていた純子さんはどんな心境で婚活に突入したのだろうか。32歳ごろから結婚を意識し始め、34歳からの2年間は土日は家にいられないほど母親からプレッシャーをかけられていたと純子さんは振り返る。
「デート相手がいない私が家にいるだけで、『あんた、何やってんの?』と母から叱られていました。いつまでに結婚するという目標を立てて行動しないとダメ、とか。私は『目標はつねに立てているよ! でも、それがかなわないだけ!』と情けない状況を話す羽目に……。母からは『(縁結びで有名な)東京大神宮にお参りに行きなさい』とも言われました。『行った! そういうのは全部行ったけど結婚できないの』と私。仲良しの母との関係が悪くなりかけていました」
結婚して2年後に他界した母親に今では感謝している純子さん。半強制的にでも出会いの場に行き続けたからこそ、隆明さんとも巡り合うことができたからだ。
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