双子パンダが「親離れ」成長への新たなステップ レイレイが「後ろ歩き」、この行動の意味は?

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母子一緒の最後の日、母親のシンシン(左)を追いかけるレイレイ(中)とシャオシャオ(右)(筆者撮影)
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上野動物園で初めて生まれた双子のジャイアントパンダ、雄のシャオシャオ(暁暁)と雌のレイレイ(蕾蕾)が親離れして1カ月が経った。もう母親のシンシン(真真)と暮らすことはない。ちなみに父親のリーリー(力力)とは、一度も一緒に暮らしたことがなく、これは野生でも同じ。パンダの父親はまったく子育てしない。

双子は3月19日の夕方、完全に親離れした。翌3月20日は休園日。双子はこの日、初めてパンダ舎の右端にある「屋外放飼場D」に足を踏み入れた。パンダ一家4頭が暮らす西園のパンダ舎は2020年夏に完成したが、「屋外放飼場D」は未使用だった。ここは、子どものパンダが使うように設計されている。

これまで双子が暮らしていたエリアは、観覧者との間をガラスで隔てていたが、「屋外放飼場D」は違う。双子をじかに観覧でき、双子が竹をバリバリ割る音や鳴き声も聞こえる。その反面、飼育係にとっては、「聞き慣れない人の声や物音などに(双子が)怖がったり、そもそも外に出ていかないかもしれないといった不安もありました」(上野動物園)。

レイレイが後ろ歩き

そうした不安をよそに、3月20日はシャオシャオがすぐに出ていき、レイレイもついていくように出ていった。その後は2頭で一緒に探索してまわり、モート(水のない堀)の下をのぞいたり、水をためたプールに入ったり、木に登ったりした。

「屋外放飼場D」のプールが気になるシャオシャオとレイレイ。2023年3月22日(筆者撮影)

3月22日午前に訪れると、レイレイが後ろ向きに歩いていた。筆者は日本でパンダが後ろ歩きするのを初めて見たので驚いた。すぐに上野動物園の大橋直哉教育普及課長に尋ねたところ、

「母子分離の『ステップ4』(母子が24時間ずっと別居する段階)以降に多く見られている行動です。いろいろと環境が変わったので、それらが影響していると思いますが、ストレスによる行動かどうかはわかりません。シャンシャン(香香)でも、警戒している時や様子をうかがうときなどに見られることはありましたが、頻繁ではありませんでした」とのことだ。

その後もレイレイは後ろ歩きをしている。最近はシャオシャオも後ろ歩きしている様子が観覧者に目撃されている。

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