沖縄に「観光以外の産業も」映画祭の大きな挑戦 貧困の島と呼ばれる沖縄の社会問題を解決

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那覇の国際通りで開催された恒例のレッドカーペットセレモニー。沿道には約1万7000人の観客が集まった(写真:吉本興業提供)

沖縄の春の風物詩となる一大イベント『島ぜんぶでおーきな祭 第15回沖縄国際映画祭』が今年も那覇で4月15日、16日に開催された。

地元に根差した“沖縄の祭り”でもある同イベントでは、観光以外の産業がなかなか根付かず、貧困の島とも呼ばれる沖縄の社会問題を、ソーシャルビジネスで解決することを目指す「島ぜんぶでうむさんラブ」(島ラブ)を走らせている。プロジェクトの現状や、今後の戦略を取材した。

15回目を迎えた本イベントの会場周辺には、約1万7000人の観客が集まった。地元の若い世代のほか、観光客の姿も見られ、晴天の真夏日のなか沖縄の祭りらしいにぎわいを見せた。

華やかに開幕した本イベントのメインになったのは、昨年に続いて2回目の実施となった『島ラブ祭 ソーシャルビジネスコンテスト』だ。

島ラブは、ノーベル平和賞を受賞した経済学者ムハマド・ユヌス博士が提唱するユヌス・ソーシャルビジネスの理念に基づいて、沖縄が地域の社会課題をビジネスにして解決するソーシャルビジネス・アイランドになることを目標とする。

引きこもりなどの若者がコーヒー販売

昨年は1期目のコンテストが行われ、14組がそれぞれの事業プランをプレゼンした。

1期目で最優秀賞となる「うむさんラブ賞」を受賞したのは、アシタネプロジェクトだ。不登校や引きこもりを経験した若者たちが、お互いに助け合いながらコーヒー販売に取り組むという内容だ。

受賞してから1年の間で、コンテストで発表したコーヒー豆をさまざまなイベントで販売するほか、キッチンカーで沖縄各地を回る販売企画など、新たな事業プランも出てきている。

アシタネプロジェクト以外にも、1期目に参加したチームのうち3組ほどが、事業化に向けてプランの具現化を進めるほか、別の事業プランで2期目に参加するチームもあった。

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