沖縄に「観光以外の産業も」映画祭の大きな挑戦 貧困の島と呼ばれる沖縄の社会問題を解決

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さまざまなプロジェクトが進む中で、課題も出てきている。それは、投資をいかに呼び込むかという点だ。事業として成立させるだけの予算を作るのは、簡単ではない。

資金面のサポートのために、現在うむさんラボ社はファンドを準備している。今後はそこからも各プロジェクトへ投資できる仕組みを作ることを目指しているそうだ。

また、今回のイベント会期中に「あなたの買い物が沖縄の課題解決につながる」をコンセプトにする「島ぜんぶでおーきな祭」公式クレジットカードの発行が発表された。

カードの利用額の一部を活用して、沖縄の社会課題解決の支援に取り組む。若い世代をはじめとする「沖縄をよくしたい」という意識を持つ人々にもカードの利用を通じて、プロジェクトにコミットしてもらうという狙いもある。

もう1つの課題は、それぞれのプロジェクトを、イベントありきの短期的なものにとどめず、長期的に継続させるという点だ。

沖縄国際映画祭実行委員長であり、吉本興業・会長の大﨑洋氏は、2025年の『大阪・関西万博』の吉本興業パビリオンにて、現在進行中のプロジェクトと新たなプロジェクト発表の場を設けることを構想中とし、今回のコンテストに臨んだ15組のメンバーへさらなる発奮を呼びかけた。

イベントに登壇した大﨑会長(一番左)(写真:吉本興業提供)

「万博には150カ国ほどがパビリオンを設け、世界中の人たちが来る。そこで沖縄から生まれたソーシャルビジネス『島ラブ』を世界デビューさせましょう。今回発表した全員がそれぞれの事業プランをさらにブラッシュアップして、事業化へ向けて継続していってほしい」(大﨑氏)

沖縄から世界にプロジェクトを広げる

また大﨑氏は2回目となる大会を通して、この仕組みを沖縄から日本全国、さらには世界へ広げていくことをこれからの方向性として掲げた。

その過程のひとつに『大阪・関西万博』があり、さらにその先の大きな目標として目指すのはユヌス博士によるソーシャルビジネス・コンテスト世界大会もあるだろう。

そしてこの1年は、これまで育ててきたそれぞれのプロジェクトの芽が実になる道筋をつける重要な年になりそうだ。その成長と成果に期待したい。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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