千鳥や、なすなか「ロケ芸人」テレビで増える背景 最近では意外性のある人選でも話題を呼ぶ

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例えば先月17日、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で相方・菅良太郎と岩手県にある旅館を訪れたロケでのこと。「朝食がおいしい旅館」という和やかなコーナーにもかかわらず、尾形は突如として浴衣姿のまま足湯に全身まで浸かったり、一度雪に埋もれてから「サンキュー!」と勢いよく飛び出したりとやりたい放題だった。

また、自らの意思で足湯にダイブし、浴衣の中にあった煙草が濡れて吸えなくなった状況に「最低だわ!」と嘆いたうえ、スタッフに「あのタバコって弁償してもらえない?」と臆面もなく口にしてしまう姿に思わず笑ってしまう。

“竹馬で街ブラする”という信じ難い番組『パンサー尾形の竹馬散歩』(TOKYO MX)が第7弾まで続く人気ぶりを見せていることからも、自ら率先してぶつかっていく姿勢が支持される時代なのかもしれない。

その一方で、尾形とは相反する芸風ながらロケ企画にたびたび登場するのが宮下草薙・草薙航基だ。とくに今年1月に放送された『あしたの内村!!』(フジテレビ系)では、街ブラロケ史上極めて稀なシーンが見られた。

技術だけではない「かわいげ」も魅力

東京・中野区の野方にあるおススメのスポットを紹介するべく、草薙は相方の宮下兼史鷹とマネージャーの3人で足を運ぶ。草薙は野方に8年住んでおり、第2の地元とも呼ぶべき場所だ。住み慣れた街ということもあり、途中までは伸び伸びとした姿を見せていた。

しかし、最後に訪れた居酒屋で事件は起きた。草薙が「なにかを背負うっていうのが初めてで。疲れましたね、なんか」と口にすると、ロケ中にもかかわらず無言のまったりモードに。この状況を懸念したマネージャーが、カウンターで隣り合わせた常連客に話し掛けるよう促すも、首を横に振って拒否する草薙。

マネージャーと宮下が常連客との間を取り持つため、「草薙は8年住んでるんですよ」「野方愛が一番強い」とパスを出すと、我慢ならなくなったのか草薙は突如店を退出。店先で固まる草薙の背中を映したままロケVTRが終了する、という予想だにしない結末で幕を閉じた。

こうしたパターンは珍しく、むしろ脳裏に焼き付いて離れないものだ。技術やスキルでは出せないリアルなかわいげや滑稽さが、視聴者から支持されるのだろう。

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