千鳥や、なすなか「ロケ芸人」テレビで増える背景 最近では意外性のある人選でも話題を呼ぶ

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そんななすなかにしと対極のシュールなボケを繰り出し、存在感を示しつつあるのが真空ジェシカの川北茂澄とガクだ。昨年12月、奇しくもこの2組は『ラヴィット!』の「大阪グルメツアー」で共演し、見応えのあるロケを見せた。

オープニングから髭の上にカミソリの刃をつけた川北が、「今日ちょっと朝急いでて、カミソリ勝ちしてきちゃいました」とボケる。川北はその後も一同が路面店に訪問する隣で路上販売していた年配者の絵を買い、ラーメン店ではコンパクトサイズの“平ざる”を持ち込んで湯切りしながら麵をすすり、焼き肉店では煙対策として本格的なガスマスクを被る、という徹底したスタンスでロケに臨んでいた。

今年2月に放送された『相席食堂』(ABCテレビ)の「街ブラ-1グランプリ2023」では、その持ち味と「両親との溝を埋めるべく、家族と向き合うガク」というドラマチックな展開を組み合わせて優勝している。

とくに川北がガクの胸の内を聞き出すシリアスなシーンは、普段とのギャップもあり千鳥の2人を驚かせた。しかし、コンビ揃って一本道を歩くエンディングでは、やはりいつもの彼らだった。ボブほどの長さだったガクの金髪が突然角刈りになり、カットが変わると今度は川北がランジャタイ・伊藤幸司と入れ替わっていた。

序盤で千鳥・大悟が「難しいなすなかにし」と口にしていたが、今後視聴者が見慣れることで独特な味わいとして受け止められるようになるのではないか。

意外な人選もロケの魅力を増幅

『相席食堂』は、真空ジェシカのように地元民と気さくに触れ合うイメージがない芸人ほど興味深いロケになることがままある。「ちーよ」が口癖のおじさんと出会ったことで奇跡的な爆笑を巻き起こしたピース・又吉直樹、ロケ中に既婚者であることを告白し実際に夫を登場させて話題となったぱーてぃーちゃん・信子らは、その典型例だろう。

意外性のある人選もまた、ロケの魅力を増幅させると考えられる。

もう1つ、あまりに素直なリアクションを示す芸人のロケも新鮮な面白さがある。このカテゴリーで、真っ先に思い浮かぶのがお笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘だ。

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