「1on1面談」口下手な部下と話が弾む最強のコツ 飲み会も減少、コミュニケーションどう取る?

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◇「時代とともに人の購買行動って、本当に変わっていくんですよ。たとえば△だったら◇◇になったり」 ⇦相手の関心が高そうなテーマと判断

◆「Bさんは、この話をしているとき、生き生きとしていますね。もしかして、Bさんの仕事観や人生観にも何か影響を及ぼしていたりしますか?」

◇「どんな仕事をしていても、マーケティングの発想は大事だと思います」

◆「なるほど。じゃあ今、何も制約がないとしたら、マーケティングの発想を活かして、Bさんはキャリアの中で何をやってみたいですか?」 ⇦価値観や本質的な話へと徐々に深めていく

このように、話の深まりがないなら、別の角度から掘り下げていきます。
相手の関心が高いテーマにたどり着いたら、そのテーマの話を振り、相手が大事にしているものや価値観などがわかるところまで深めていきます。

キャリアについて相手が「現在」や「未来」についてなかなか話を掘り下げられないときは、「過去の事実」であれば、話を引き出しやすくなります。

過去の決断・選択の軸、過去の経験から得られたこと、思考のパターンなどを話してもらうことで、相手は未来へと少しずつ目を向けていくことができるはずです。

話し慣れていない人には一工夫を

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話し慣れていない人に対しては、色々と他にもテクニックがありますが、一番簡単なのは、最初にクローズドクエスチョンから入るということです。

「Aですか?Bですか?」であったり、はい・いいえで答えられる質問のことです。かと言って、それが続くと尋問になってしまったり、医師と患者の問診のようになり、なかなか話を深めることができません。

そのため、「はい/いいえ」、「AかB」で答えられるクローズドクエスチョンに加え、相手が自由に答えられるオープンクエスチョンをほどよく交ぜていくといいでしょう。また、相手に問いかけた後、相手が答えた後はすぐに質問を重ねるのではなくゆっくりと7秒待つことがポイントです。

池原 真佐子 Mentor For代表/ビジネス・キャリアメンター協会代表理事

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いけはら まさこ / Masako Ikehara

早稲田大学大学院教育学研究科卒業後、PR会社、NPO、コンサルティング会社で勤務。在職中にINSEADに入学、修士号取得。その後起業するも、キャリア1on1やメンターの重要性を痛感し、女性リーダー育成に特化した「社外メンター」の企業マッチング事業を開始。多くの企業で社外メンターのマッチング、社内メンター支援、キャリア1on1等の導入支援の実績を持ち、組織のDE&I推進に伴走する。第21回女性起業家大賞グロース部門優秀賞(全国商工会議所女性会連合会会長賞)、EY Winning Women 2022、第8回DBJ女性新ビジネスプランコンペティションファイナリスト、第5回女性起業チャレンジ制度グランプリ等受賞。

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