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「少子化は最悪だ」という日本人は間違っている 日本の「人口問題の本質」とは一体何なのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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「そんなに革命的に労働市場が変わるのは難しいのではないか」という意見が多そうだが、本当だろうか。

そもそも、その退職女性はもともと働き手として有能だ。もし退職前の価値よりも安い賃金でパートとして働いていたら、それは超掘り出し物だ。ただでさえ人手不足なのだから、彼女には求人が殺到するだろう。単純なごく普通の経済原則、企業の利益最大化行動で、すぐに解決してしまう。これが私の自然で「普通の」少子化対策だ。

なぜ、これを実現するのが難しいのか。それは日本の企業が阿呆であるからである。日本社会が意味不明だからである。逆に言えば、そんな異常な企業と社会においては、何をしようとも問題は解決しないのだ。

「日本にとっての少子化問題」とは何か

最後に「そもそも②」の「少子化が悪いとは決めつけられない」である。少子化は本当に問題なのか。なぜ問題なのか。一般的な答えは「当たり前だ。子供が少ない社会は、まともな社会でない。活力がなくなってしまうではないか」ということなのだろう。

しかし、それならば、日本のほとんどの社会はすでに壊れている。壊れていないのは、東京、名古屋、そのほかごく一部の大都市だけで、ほとんどの地域社会は少子化どころか、中年もおらず、高齢者だけになり、さら高齢者までも減り始めている。社会は壊れ、消失しているのである。

もし「健全な社会を維持する」ということが少子化対策の目的なら、まず、大都市以外の地域社会を一刻も早く立て直さなければいけない。少子化対策のラストチャンスというが、地域社会にとっては子供が減るというのが問題なのであれば、何十年前にもうゲームオーバーになっているのである。

しかし、私がこんなことを主張しても相手にされない。「地域社会はもう無理に決まっている。とにかく日本全体で人口を増やせ、それが日本にとっての問題だ」というだろう。しかし、しかし、だ。ここでの「日本の問題」とは一体何のことだろうか。

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【「日本の問題」の本質とは? 】

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