「少子化は最悪だ」という日本人は間違っている 日本の「人口問題の本質」とは一体何なのか

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それは人口が減ると経済規模が小さくなり、日本市場に依存している企業の売り上げが減るという問題であり、勤労者層が減ると社会保険料を払う人が減り、年金も医療も介護も破綻するからであり、日本人の存在感が減ると、国際的に日本代表の政治家といっても世界では大して影響力がなくなるからであり、人口が減れば兵力が減るからである。

すなわち、それは少子化問題ではなく、企業利益の問題であり、社会保障システムの問題であり、プライドの問題であり、覇権争いの問題なのである。

経済主体が個別課題に正面から向き合うしかない

これらの問題を解決するのはとても難しい。「人口が減ったことが問題なのだから、人口が元に戻ってくれれば、問題は存在しなくなるはずだ」――。こうした課題の裏返しを解決策とするのは、まったく無意味なことだ。

これらの社会問題を直接解決することでしか、日本の問題は解決しない。現在人々が「人口減少こそ最大の課題」と言っているのは、実は社会の変化に対応できない、経済主体や経済システム、社会制度が機能不全を起こしているにすぎない。これらの制度をリフォームして、それぞれの経済主体が自分自身の個別の課題に正面から向き合うことでしか解決しないのである。

つまり、少子化対策とは、課題設定も解決策もすべて間違っている。このままでは、あえて日本社会の傷を拡大し、破綻させることにしか貢献できないのである。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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