家電ノジマが「ドコモショップ」を爆買いした成算 過去最大級のM&Aで携帯販売業界トップを猛追
――ノジマの家電事業は好調な一方、キャリアショップ事業の業績は伸び悩んでいます。「ノジマ式」の導入だけで、コネクシオの収益性を改善できるかは疑問です。
確かに、キャリアショップ事業は伸び悩んでいるという評価でいいと思う。でも、間違いなく僕は収益(拡大)につなげる。今いる社員たちを強く育てて、お客様に喜ばれるような場面を増やしていく。
稼ぐお店にするうえで重要なのは、お客様に従業員が優れていると認めてもらうこと。そうすればお客様の数は増えるし、逆に嫌われたら減っていく。ノジマはお客様に喜ばれる術を多く持っているから、従業員の給料も上げられる好循環になっている。コネクシオは逆の状態なので、良い循環へと変えていきたい。
これほど(市場環境が)悪い状態になっていても、ノジマはこれだけの利益(2022年3月期のキャリアショップ事業の経常利益は58億円)を維持できている。携帯ショップ業界で、うちよりいい会社があるかというと、恐らく一定の規模以上では見当たらない。
よって、この厳しい業界の中で生き残れる会社は当社だけではないかと思っている。
家電で培った販売ノウハウを生かせる
――そもそも、家電量販店のノジマがなぜ携帯ショップを強化しているのでしょうか。
家電と携帯ショップとの間に直接のシナジーはない。
一方でノジマのいちばんの強みは、お客様に小難しいことでも分かりやすく、中立的な立場で説明して販売できる「コンサルティングセールス」だ。ノジマは、メーカー販売員がいない唯一の家電量販店として成長してきた。そのノウハウを生かせる業種の1つが携帯ショップとみている。
――コネクシオの買収により、ノジマは携帯ショップ業界で、店舗数では最大手のティーガイアにほぼ肩を並べる規模へと浮上します。
お客様には会社の規模は関係ない。コネクシオを良い携帯ショップにすることに尽きる。
ただ、市場全体がじりじりと縮小する中で、販売代理店側の独自商材をどこまで認めるかなど、(キャリアによる)販売規制が将来的に緩くなる可能性は高い。例えば、ドコモショップで通信だけでなく、保険商品などを売ることも出来るかもしれない。そうなれば、売り物が増える分だけ、より収益を上げやすくなるだろう。
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