家で話せても「外で固まる子」身体で起きている事 場面緘黙症と自閉スペクトラム症は何が違うか
また、場面緘黙症の子どもは自閉スペクトラム症と間違われがちです。しかし、自閉スペクトラム症の子どもは、家庭でも親の話に反応せず、勝手な行動をとることが多く見られます。それに対して場面緘黙症の子どもは、家庭では親と普通に話せていますが、外に出たとたん、人見知りが強くて話せないという大きな違いがあります。
このような違いが少なくとも1カ月以上持続し、自閉スペクトラム症では十分説明できないとき、場面緘黙症と診断されます。
場面緘黙の発症年齢は5歳未満が多いといわれていますが、それ以上の年齢でも発症する場合があります。アメリカ精神医学会によると、場面緘黙症の有病率は多くて100人に1人としています。また、男女比で女子のほうが若干高い研究結果が見られます。
そのうち話せるだろうと思われてしまう
場面緘黙症の子どもは一般に感覚が鋭く、不安になると身体が硬直し、表情にもこわばりが見られます。知的能力は平均以上にあります。ただ、外で言葉を発することがないため、コミュニケーション不足によって場面緘黙の症状をさらに悪化させていきます。
場面緘黙症は、特定の場面(保育園、幼稚園、学校、公共の場など)で話せなくなる症状ですが、家庭では話しているので、先生からは「おとなしい子」あるいは「反抗的な子」と見られがちです。また、放っておけばそのうち話せるだろうと思われてしまいます。
先生や保護者による適切な配慮、支援がなされず放っておかれると、二次的な問題(不登校、いじめの対象、対人恐怖、ひきこもり)を引き起こすことも考えられるため、子どもの行動をしっかり見て、緊張や不安を緩和させていくことが大切です。
1:(学校で)どのような場面で話せないのかを確認する
確認したい事項としては、先生や友だちと話せない、返事ができない、先生に指名されても発言できない、イヤなことがあっても話せない、音読できない、歌えない、絵が描けない、作文が書けない、「トイレに行きたい」と言えない、休み時間になっても席を離れることができない、体育の授業で動けなくなる、などです。
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