「店員の名札」が危ない!“犯罪者"が群がる現実 コンビニ大手3社の対応、そして学校の名札は?

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こうした中、全国にチェーン店を持つコーヒーショップが、広島市の店舗で名札の表記をイニシャルに変えたことがニュースになった。

SNSに悪口を書き込まれたり、つきまとわれるという被害に対処した策だという。このような動きについて、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹代表弁護士は、「当然の流れでしょう」と、こう続ける。

「何か問題が起きたとき、場合によっては、責任者の名前を出すということは必要かもしれません。しかし飲食店などで接客する店員が、そもそも名前を名乗る必要はあるのか、ということです」

しかし、名前がわかることで、いいサービスをすれば客から褒められるし、逆に手を抜けばクレームになるということで、接客に緊張感を保てるというメリットもある。

「確かに飲食店、特にお酒を出す店などでは営業戦略的に店員と仲良くなってもらう、ファンになってもらい店に足を運んでもらうということはあるでしょう。それならば、名札に本名ではなく、あだ名などをつけるという選択もできますよね。

今の時代、SNSで名前を検索すれば簡単に本人のプライベートな情報を手に入れられるケースもあります。本名を出すことでストーカーを生み出しやすく、クレームや嫌がらせも生じやすくなります」(高橋弁護士)

全国にチェーン店を持つコンビニは

実際、世の中の動きとして“名札問題”の対策はどうなっているのだろうか? 日本全国に店舗を持つ、大手コンビニ3社に聞いてみると──。

「名札が原因でネットでの被害やストーキングされたという事案はございません。ただ、本名を出すことが不安だという声も一部あり、他社の事例なども参考にしながら社内で検討をしております」(ローソン広報)

ローソン(写真:週刊女性PRIME編集部)

「現時点で(名札についての)運用の変更予定はございません。さまざまなご意見も含め、今後の参考にさせていただきます」(ファミリーマート広報)

ファミリーマート(写真:週刊女性PRIME編集部)

「名札については名字のみを表記しております。また、小売店や飲食店を中心とした市場環境などを鑑み、2022年7月上旬ごろから順次、顔写真がついていない名札に変更しております」(セブン-イレブン広報)

セブンイレブン(写真:週刊女性PRIME編集部)

と、検討はしているものの、名札の廃止までには至っていない様子。店員からも実際にストーキングなどの被害に遭ったという声は届いていないという。しかし、飲食店以外の動きとして高橋弁護士は、自身の経験をこう語る。

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