「店員の名札」が危ない!“犯罪者"が群がる現実 コンビニ大手3社の対応、そして学校の名札は?
「本当に身の危険を感じました。売り場で名指しされて接客するのは仕方がないとしても、まさか待ち伏せされるとは……」
そう話すのは、大手デパートに勤めていた工藤琴美さん(仮名)。自身が過去に客から受けた経験を、振り返る。
ネームプレートに群がる“犯罪者”たち
「毎日、決まった時間に売り場を通る男性のお客さまがいて。着ている服や髪型も個性的だったので、販売員の中では有名でした。ある日、私の前に立って、胸元の名札を確認しながら“名前、工藤さんというんですね”と話しかけられました」
婦人用の小物売り場にいた彼女は、女性から声をかけられることは慣れていたが、男性に、しかも名前で呼ばれたのは初めてだったという。
「ちょっとびっくりしながらも接客したのですが、そこから毎日のように声をかけられるようになって。その方だとは断言できないのですが、私が休みの日には、シフトを確認するような電話もあったと同僚から聞きました」(工藤さん、以下同)
そしてついには──。
「退社しようと職員出入り口に向かったら、先に帰ったはずの同僚が戻ってきて“あの男が出入り口のところに立っているよ”って。怖くなって売り場へ戻り上司にそのことを告げたら、警備室には言っておくから、職員出入り口ではなく、いちばん離れたお客さま用の出入り口から帰りなさい、と言ってくれて」
その後、売り場でも必ず男性の販売員が彼女の近くにいるようにして、その客が近づいてきたときには男性販売員が接するようになったという。
「そういった対応をしていたら、そのお客さまは自然にお店に来なくなりました。今でも思い出すだけで気持ち悪いし、怖いです」
飲食店やデパートなどでは“当たり前”になっている名札(ネームプレート)。本名を不特定多数の人が見ることになるが、昨今では個人情報の保護という観点から問題視されている。