パパ活で「月収60万円」15歳少女の悲しい生い立ち 10歳から歌舞伎町通い、今はホームレス生活
モカさんが初めて歌舞伎町に来たのは小学4年生(10歳)の頃。両親はいるが2人とも本当の親ではないこと。その両親の虐待から逃げるように出た実家には、2年ほど帰っていないこと。血の繋がった本当の父親からは性的虐待を受けていたこと。現在はパパ活で生計を立てていること。平均して月60万円は稼いでいること。
そして、昔も今も、ずっと“死にたい”と思っていること――。
彼女の話は、そのすべてが驚きと衝撃の連続だった。15年という人生の中でモカさんの経験したことは、その倍以上生きている僕の理解をはるかに超えていた。
両親の虐待から逃げ込んだのは歌舞伎町
モカさんの両親は、離婚・再婚を繰り返し、彼女の父親や母親はその都度替わっている。
母親が最初に結婚した男性との間にモカさんのお兄さんが産まれた。その後、2人は離婚。お兄さんを連れた母親は別の男性と再婚し、その再婚相手との間にモカさんが産まれた。そして再び母親は離婚することになり、モカさんとお兄さんは今度は父親の方についていった。この時点でお兄さんと父親の間に血の繋がりはなくなっている。さらにその父親が別の女性と再婚し、またもや離婚。この時はモカさんだけが母親に連れられ、お兄さんは家を出ていった。その母親がさらに再婚し、現在に至る。よって、モカさんと現在の両親との間に血の繋がりはない。
あまりにも複雑すぎる家庭環境。
この話をしながら、モカさんは笑っていた。その表情は、自分の生い立ちに呆れているようにも見えたし、「私ってめんどくさいでしょ?」と訴えかけるような自虐的な笑みにも見えた。彼女は今まで幾度となく、他人に自分の境遇を話してきたのだろう。この話を打ち明ける時、耳を傾ける相手には血の繋がった本当の両親がいて、温かい食事や温かい布団があって、というケースも多かったのではないだろうか。
ちょうどこの時の僕と同じように、モカさんの話に相槌を打つのが精一杯、という引きつったような相手の表情を、彼女は何度も見てきたのだろう。そのたびに「あなたは普通じゃない」と突きつけられたような、あるいは「かわいそうだね」と同情されたような、そんな気持ちを15歳の少女が抱いたとしても不思議ではない。自分の生い立ちを話すモカさんの笑顔は、僕にそう思わせた。それほどに、15歳とは思えない悟りきった笑顔だった。
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