「さっさと宿題が終わる子」に激変する6つのコツ カバンの中身は帰宅後すぐに全部出す

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一問・一字だけなら、かなり取りかかりやすくなります。そして、一問・一字やるときに自然に全体が目に入ります。すると、「だいたいこれくらいでできるな」という見通しがつきます。見通しがついていると、遊びから帰ってきて本格的に取りかかるときの心理的ハードルがぐんと下がります。

出口がぼんやりとでも見えていれば、気持ちも楽

大人の仕事でもそうですが、見通しがないときは実際以上に大変に感じてしまい、やる気が出ないものです。出口がぼんやりとでも見えたとき、現在地もわかり、あとどれくらいかもわかります。それによって、気持ちが楽になってやる気がわいてきます。子どもが宿題や勉強をやるときもまったく同じなのです。

ここまで、カバンの中身を全部出す・取りあえず準備方式・取りあえず一問方式の3つを紹介しました。こうしたことを何もしていない状態で、カバンの中に中身が全て入っているとしたらどうでしょう? まずカバンを取りに行き、その中から宿題に必要な物を探して取り出し、実際にやるページを開かなければなりません。

これら一連の作業も本人にやる気があるなら面倒ではないのですが、やる気がない場合は、こういうちょっとしたことが大きなハードルになります。ですから、事前に一歩でも1ミリでも宿題に近づいて、取りかかりのハードルを下げておくことが大切です。

●ウォーミングアップ方式

ある家庭では、親が紙に「9+5 14ー6 5×3」などの簡単な計算問題を10問書きます。「用意、ドン」で子どもが解き始め、ストップウォッチでタイムを計って新記録を目指します。これで集中力が上がり、あっという間に終わります。1問10点で丸つけをしてほぼ毎日100点です。そこで親子で一緒に喜び、その勢いで宿題に取りかかります。

脳科学によると、このような単純計算をやっているとき脳全体の血流がアップするそうで、脳のウォーミングアップに最適なのです。また、1つの勉強が終わったことと100点を取ったことで、リトル・サクセスを味わえます。これによって、脳の中の線条体という部位が活性化するそうです。この線条体という部位はやる気・意欲に関わっていて、これが活性化することでやる気スイッチが入ると言われています。

●おうち時間割

親が「勉強しなさい」と言うと、子どもはよく「後でやる」と答えます。なぜ、そう答えるのかというと、もちろん1つには今やりたくないからです。でも、実はもう1つ理由があるようなのです。どういうことかというと、子どもは「後でやる時間がある」と本気で思っている節があるのです。

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