原発問題は郵便事情にも大きな影響、30キロ圏内の集配業務に支障【震災関連速報】
福島県では原発問題が郵便事情にも大きな影響を及ぼしている。東京電力福島第1原子力発電所から20~30キロメートルの圏内にある南相馬市の原町郵便局は営業できずにいるが、30キロメートル圏外の郵便局でも30キロメートル圏内にある地域の集配業務に支障を来たしている。日本郵便の現場は、届けたくても届けられない郵便事情に苦悩の色を深めるばかりだ。
日本郵政グループのなかで、郵便事業を担う郵便事業会社の三春支店は、郡山市から北東約20メートルの田村郡三春町の中心街にある。三春町自体は原発から約45キロメートルにあるものの、集配活動のエリアは広く、三春町から東方に20キロメートル超離れた田村市都路町は、20キロメートル圏内に近い30キロメートル圏内にある。
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しかも、3月14日には、福島第一原発で水素爆発が起きた。力丸広支店長は直ちに、都路町の集配センターを閉鎖し、「社員の身の安全の確保から配達をやめて支店に戻るように指示した」(力丸支店長)。
一方で、都路町役場は町民に田村市の工業団地への避難を呼びかけた。そこで、三春支店はその避難所に出向いて、避難住民の名簿の提供を求めたが、名簿は提供してもらえなかった。個人情報管理の問題が影響していることだった。