ナイキの「伝説の靴」作った"お荷物部署"の逆転劇 映画「AIR/エア」関係者が語る製作の舞台裏
その思いはデイモンも共有していたようだ。
「脚本が素晴らしくて。とにかくストーリーが素晴らしかった。そして僕はこの話を知らなかった。それが僕たちの目に留まった最初のポイントだった。まずベンが脚本を読んで、僕に送ってきたんだ。そしてそれこそが僕たちが探し求めていた作品であることに気づいた。僕たちは一緒に新しい会社を始めたが、その会社を始めるうえでこれこそが最適な作品だとね。
つまりこれは登場人物やロケーションなどが限定されたストーリーだったし、とても素晴らしいストーリーで、演技にとても左右される作品だったからだ。だから僕たちはこう言ったんだ。『オッケー。素晴らしい俳優陣を集めて、僕たちができる最高のバージョンの作品を作ろう!』と」
負け犬がどうやって変わっていくか
さらにデイモンはこうも感じたという。
「昔からバスケシューズ市場における絶対的な強者はナイキだというイメージがあった。現在ではそうだしね。でもこの物語の冒頭では、彼らは明らかに負け犬だ。それがどう変わっていくのかを見せるために、時代背景や状況を踏まえて再考していくところに面白さを感じたよ」
幼なじみであり、何十年にもおよぶ友情を育み続けたアフレックとデイモンだが、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『最後の決闘裁判』といった映画で共同で脚本を執筆するなど、映画作りにおいても重要なパートナーシップを築き上げてきた。
アフレックも「ケンカしたり、言い争ったりすることがクリエイティブなエネルギーになるような友人関係もあるだろう。でもマットと僕は長い間コラボレーターとして一緒に仕事をしてきた。監督と俳優というのは、人々が想像するような独裁的な関係じゃないんだ。
それがうまくいくためには2人が協力し合わなければいけない。一緒に何かを見つけようとする必要があるんだ。俳優を操ったり、何かをさせることはできないし、俳優が監督のやりたいことを変えることはできない。だから、共同作業をせざるをえないんだ。
僕とマットにとって、それはごく自然なことだった。そして、監督としてマットと一緒に仕事をすることの利点は、ほかの俳優たちに『この人は私の言うことを聞いてくれる。彼らは私を信じている。彼らはいつもいてくれるから、話すことが出来る』ということをたやすく理解してもらえることだ。なぜなら僕は、俳優がそういうふうに感じることが本当に大切なことだと思うからだ」とそのメリットについて語る。
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