これが27歳からの「プロキャリア論」だ! 塩野誠vs迫俊亮、"キャリア"を語る

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「ビジネスプロフェッショナルとは、組織や会社の看板に頼らなくてもビジネスを遂行できる力をもった人、つまり、スキルのポータビリティーをもった人です。

塩野 誠(しおの まこと)経営共創基盤(IGPI)取締役マネージングディレクター、パートナー(共同出資者)、IGPI シンガポール CEO

その指標となるのが『海外で一人で事業提携できますか?』ということ。そのためにも、20代はまさにハードスキルを学ぶ年代です。ハードスキルとは、会計やファイナンス、法務などのスキル。今や、本やネットでいくらでも独学できます。20代で人脈を広げることに注力する人がいますが、それでは大成できない。20代こそ、ビジネスの足腰を鍛えるべきなのです」

さらに塩野氏が強調するのは、「人生で死ぬほど働ける時間は短い」という点だ。結婚、出産、育児に加え、体力・知力の衰え、または予期せぬ事故や病気に遭遇することもあり得る。心身ともに仕事に没頭できる時間は年を経るごとに少なくなる。だからこそ、20代~30代前半をいかに懸命に過ごすかが大事になってくるのだ。

では、スキルを学んだ結果、“お呼びがかかる”キャリアをどう築いたらいいのか。

お呼びがかかるキャリアとは何か

「その際、大事なのは“掛け算”です。そこに、ある種の希少性やポジショニングが生まれるのです。たとえば、会計士×語学力×マレーシア事情に詳しい人という条件であれば、たちまち数人に絞られるでしょう。その希少性こそが、お呼びがかかるキャリアであり、だからこそキャリアは掛け算であることを覚えておくべきなのです」

また、20代、30代のビジネスパーソンに意識しておいてほしいのは、自分の仕事のスタイルやキャリアは年齢によってどんどん変わってくるということだ。

「20代はハードスキルを身に付ければいい。でも30代は自分のいる業界で誰に電話できるのか。つまり、誰を知っているのかが必要になってきます。それは同時に自分の業界内での人脈や知名度・評判にもつながっているのです。そして、40代は人間力、教養、覚悟といったものが問われます。ただ、人生は仕事だけがすべてではありません。仕事を懸命にする時間だって、そう長くはない。だからこそ、早くから自分のキャリア形成に対して意識的であるべきなのです」

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