アラサーのための戦略的「人生相談」--「ゆでガエル」として生きるほうが、幸せでは?(その2)


広瀬 一郎

■■第11回 「ゆでガエル」として生きるほうが、幸せでは?(その2)

白石健二・仮名 32歳 公務員


広瀬: 前回、『デフレの正体』というベストセラーについて、触れました。現在の日本が直面しているのは、経済学的な「デフレ」として理解するのではなく、「人口動態」で理解すべきである、というのが主な提言内容です。

経済学的な処方箋、たとえば財政政策などがなぜ効かないか、といえば、原因がデフレではないからです。デフレは原因ではなく、結果なんですね。人は、「相関関係」と「因果関係」を取り違えるミスを犯しがちですが、現在の「デフレ問題」の認識はこの典型です。正しい問題のとらえ方が、さまざまなデータによって検証されています。

興味深いデータが多く挙げられていましたが、1つだけ紹介しますと、世界に資産を1億円以上保有している人が900万人いて、そのうちの6人に1人が日本人だということです。しかし、そのほとんどが、豊かな老後を送っている高齢者。高齢者は消費意欲が低いので、モノは売れない。さらに、現在の日本で「遺産を相続される方の平均年齢が67歳(!)」だという事実。そりゃモノは売れず、デフレにもなりますねえ。
 
 著者の藻谷さんや、彼の師匠筋のYさん(大前研一さんと並び称される大物コンサルタント)が、国会議員や官僚たちに説明して、「わかった?」と聞くと、皆が異口同音に「わかった」と答える。しかし、「それでは、実行したら」と聞くと、「……」。

当然「なぜ、やらないの?」と聞きますよね。答えは、「私にも家族があり、生活があるんです」と。Yさん曰く、「連中には根性がなかった」と。これが霞が関や永田町の実態だとすると、こっちの事実にも驚愕です。でも、妙に納得しませんか?

先送りが合理的なワケ

『イノベーションのジレンマ』というビジネス書の超ベストセラーがあります。発売以来20年くらいの間、米国ではビジネス書の年間ベスト20位以内を維持しているというマンモス・ベストセラーです。

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