アラサーのための戦略的「人生相談」--「ゆでガエル」として生きるほうが、幸せでは?(その2)


 ここでは、成功体験を持った人や組織が、「イノベーション(改革)」に取りかかれないことが合理的に説明されています。それが「イノベーションのジレンマ」なんです。
 
 既存の体制の人たちには、そのときの体制を改革する合理的なモチベーションがありません。やってもやらなくても今の自分のステータスには変化がありません。しかし、やって失敗したらマイナスになります。
 
 「やらなければ、マイナスにはならない」という行動原理で、組織のトップに昇進している先行事例を多くみれば、「やらない」という判断は、実に合理的ではないですか。

本来、組織やシステムが誕生する際には、誕生するための合理的な理由があったはずです。しかしながら、いったん成立してしまうと、あらゆる組織は「組織を維持すること」が最優先事項になります。「組織の自己目的化」は避けられません。

「改革」とは、「現状の自己否定」のうえに成立するものですから、「現状維持」をモチベートする「組織」という存在には、そもそも適していません。
 
 ドラッカーは、マネジメントの最大の機能の1つとして、「現状を否定する文化」を組織内に醸成し、維持することを挙げています。これは、逆にそれがいかに難しいか、ということでもあります。

ドラッカーにおいて、「戦略」と「マネジメント」は、一対のものだったのです。「マネジメント」とは「戦略」を遂行する方法論、あるいは技術論なんです。「マネジメントとは機能である」「最初に成果を定義をせよ」という有名な彼の言葉を思い出してください。

「戦略」の策定は、成果を定義することから始まります。その際に重要なのは、「時間軸」の視点です。「短期的な成果」と「中長期的な成果」を見定め、どのように具体的なシナリオ(実行案)を策定するのかが戦略において重要なのです。

ポートフォリオの組み方も、短期的な利益を追求するだけでなく、中長期的な視点での「投資」が必要になりますが、ここでも戦略的視点が不可欠です。短期的にも複数の課題間にトレードオフ関係があり、また短期的と長期的な課題との間に必ずそれが生じる。だから優先順位をつける「戦略」が必要になるんですね。

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