「異次元の少子化対策」が支援"出会える県の婚活" 課題が山積している「地方婚活」その実態に迫る

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条件検索での申し込みによる出会いは、条件がいい一部の人に人気が集中する傾向があります。積極的に自分から申し込みをすることにより、条件が不利でも行動力でカバーできる人もいますが、受け身で自分から申し込めない人も多いのです。しかし、このAI紹介の新システムに切り替えてから、女性からの申し込み数は3倍以上に増えました。

なぜAI紹介だと申し込みが増えるのでしょうか。例えば、条件検索の場合、「身長165㎝以上」で検索する人は、163㎝の人のプロフィールを閲覧しません。AIによる紹介機能の場合、希望条件には達していなくても、「AIがおすすめしてくれるのだから相性がいいのかも」という気持ちになり、紹介された相手にお見合いを申し込むこともあるのです。

なお、AI紹介は断ることもできます。知人の紹介を断れば、今後の付き合いに影響する可能性もあり断りにくいかもしれませんが、AI紹介では紹介者の顔色をうかがう必要もありません。

出会いたいけれど「周りにバレたくない」

また、同センターには4部屋のお見合い専用の個室があり、初対面はお見合いルームかオンラインお見合いかを選べるといいます。

「初対面の人とどういうお店で会ったらいいのかわからない方もいらっしゃいますし、都会とは違って大分県だとデートで使えるようなお店も限られます。知り合いに遭遇しやすいことを気にする方も多いです。気にせずどんどん会える方もいらっしゃるのでしょうけれど、そうではない方でも安心して会えるように、センター設立時からお見合いルームを用意しています。お見合いルームの使用は無料です」(同センター担当者)

大分県と同じシステムを採用している他県を取材した際は、お見合いルームはありませんでした。地域によってサポート内容も異なるようです。

OITAえんむす部出会いサポートセンター
写真右は、OITAえんむす部出会いサポートセンターのお見合い専用個室(写真:同センター提供)

行政が結婚支援を行うことには、「介入しすぎだ」「税金の無駄遣い」といった反対意見もありますが、私は必要だと考えてます。

民間の大手結婚相談所とOITAえんむす部出会いサポートセンター利用者の年齢層を比較してみると、同センターのほうが民間結婚相談所より20代、30代の割合が多いことがわかります(下図の上)。結婚相談所は「最後の砦」というイメージを持つ方も多く、「○歳になっても結婚できなかったら利用しよう」と思ってしまい、若いうちに気軽に登録する人が少ないのです。

年齢層比較
図表:筆者作成
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