「やりがち?」リモート会議ですれ違う根本原因 「ビデオOFF」や「マイクミュート」は何が問題か

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この「間が取りにくい」問題は、ほかの回答とも密接に関わり合っていると考えられます。たとえば、2番目に多く挙がった「相手の表情を読み取りにくい」という回答。ただでさえ、画面上では対面のように相手の表情や仕草を確認しづらいのに加えて、日本のビジネスパーソンの約6割がオンライン会議でビデオOFFのままコミュニケーションを取っているという統計も出ています。もはやビデオOFFがデフォルトになっている、という人も多いのではないでしょうか。

ですが、本来、人間の会話は、言葉だけではなくて、7割ほどは表情や仕草、ハンドサインといった「非言語情報」から読み取っていると言われます。対面での対話シーンであれば無意識的に視覚から得られていたこの非言語情報がビデオOFFでは不足してしまうので、微妙な空気感やニュアンスが読み取りにくくなるのです。

上司が怖い顔をして自分の話を聞いているのか、にっこりして聞いているのかがさっぱりわからないというのは、若手社員にとって大きなストレスです。

対面の会議で、フルフェイスのヘルメットを被った人と話をしている状況を想像してみてください。相手が何を考えているか分からず、恐怖すら感じますよね。顔の見えないビデオOFFのコミュニケーションというのはフルフェイスのヘルメットを被るのと同じような状態なのです。

ビデオOFFだと会議の時間が長引く

また、ビデオOFF問題は、アンケート結果3位の「時間が長引く」や、6位の「リアクションをしてくれないので反応が見えない」にもつながってきます。私たちが武蔵野大学教授と共同で行った調査では、「ビデオOFFだと会議の時間が長引く」ということが分かりました。

相手のリアクションが見えず、相手が自分の発言に対してどう思っているかが読み取りにくいため、「伝わっていないかもしれないから、あれもこれも言っておこう」と余計なことまで話してしまうことが大きな要因でしょう。

また、ビデオOFFの場合は、メンバーの多様性を原因とする意見対立を避けるようになり、合意まで時間がかかる結果、意思決定の質が悪化してしまうという結論が得られています。

反対に、ビデオONの場合は、居心地の良さと信頼を感じるため課題の内容について意見をぶつけ合うことができる傾向にあり、合意や意思決定のスピードも質もアップするようです。

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