「読書会」という"異種格闘技"が有益なワケ あなたのキャリアの突破口になる

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これは会社でも使えます。社内で若い人が気の利いた意見を言うと、嫉妬で吹き飛ばされてしまうことがありますが、「この本であの先生が言っています」と説明すれば、スッと受け入れてもらえます。

行動につながるような読書をしよう

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――前回記事で、発想が柔軟で、自分の殻を破って成長し続ける、変革マインドを持った人の割合は全体の1~2%というお話がありました。ビジネスパーソンは、この1~2%の「変革リーダー」を目指すべきですか。

いいえ、目指す必要はありません。世の中には変わるスピードが速い人がいるのです。変革リーダーは、組織の中では顕在化しにくいのですが、連携すると力を発揮します。彼らがつながったとき、社会の変革が起きるのです。

これは蝶のイマジナル細胞によく似ています。イマジナル細胞は、初めは異質な存在ですが、サナギから蝶に変わる時期が近づくと互いに連携し、ある瞬間にほかの細胞を全部イマジナル細胞に変えてしまいます。

ですから、誰もが吉田松陰のような幕末の志士にならなくてもいいのです。牢獄に入りたくはないでしょう。とはいえ、歴史の転換点には、誰かが行動しなくてはならない。われわれが開いている読書会は、変革マインドを持った人を集めて、本当に必要な社会を作っていくためのアクションを起こしましょう、というものです。

つまり、リーダーシップ教育です。リーダーがいないと次の時代は作れません。最近は行政がこういうことを理解してくれるし、大学でも読書会を始めようという動きが出てきました。時代は大きく変わっています。

読書会は行動を起こすためのきっかけになります。数人でも開けるし、200人で1冊の本を読むこともできます。仲間と一緒に、世の中を変えるような、「行動につながる読書」をしてほしいと思います。

仲宇佐 ゆり フリーライター

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なかうさ ゆり / Yuri Nakausa

週刊誌のカルチャーページの編集・執筆を経て、美術展、ラジオ、本などについて取材、執筆。全国の美術館と温泉をめぐり歩いている。

 

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