「息子が血を吐いた」想像を超える詐欺の最新手口 狙われる高齢者、食い尽くされる親のカネ

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広域強盗事件を指示したとされる「ルフィ」疑惑の4容疑者についても、警察は彼らの上に暴力団が存在するとみて捜査を進めている。しかし、暴力団が積極的に特殊詐欺に関与しているかといえば、必ずしもそうとは限らない。

先の梅本氏は「暴力団は本音では特殊詐欺に手を出したくない」と語る。「末端が詐欺で捕まれば使用者責任で組トップまで逮捕される。『ルフィ』の事件以後、暴力団の中には改めて『特殊詐欺に関わるな』との通達を出したところもあるようだ。それでも関わる組員が絶えないのは、ほかに稼げる手段がないからだ」と指摘する。

暴力団の経済活動を封じる暴力団対策法によって、暴力団構成員の数は1990年代の9万人から、2万人前後にまで減った。

それと反比例するように増えたのが半グレや特殊詐欺グループだったが、今その特殊詐欺グループが、暴力団組員たちの新たな収益源になりつつある。

闇カジノでロンダリング

得た金の上納の仕方も巧妙だ。ある現役組員は「闇カジノでロンダリングしながら上納する。こうすると『詐欺で得た金』かどうかわからなくなる」と語る。

高齢者の資産に若年層が喰らいつき、そのうまみを、困窮した暴力団組員が吸い上げてゆく。特殊詐欺の現在地だ。

野中 大樹 東洋経済 記者

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のなか だいき / Daiki Nonaka

熊本県生まれ。週刊誌記者を経て2018年に東洋経済新報社入社。週刊東洋経済編集部。

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