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広域強盗事件の容疑者「ルフィ」正体暴きは難しい 4人全員が食い違う証言をすれば立証はできず

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“ルフィ”を名乗った人物を特定するには、「合理的な疑いを超える程度の証明」が必要になる。

強制送還される渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者
広域強盗事件の指示役「ルフィ」ではないかと疑われ、フィリピンから強制送還された渡辺優樹容疑者(前列右)と、小島智信容疑者(中列左)(写真:日刊スポーツ/アフロ)

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広域強盗事件を指示したとされる“ルフィ”の正体についての情報は入り乱れている。

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仮に、逮捕された全員が「俺はルフィじゃない」「あいつがルフィだ」と互いに食い違う証言を重ねた場合、立証は困難を極める可能性が高い。刑事事件では、誰が、いつ、どのようにして、何をしたのか、という要素を、犯罪の構成要件に当てはめて、一つひとつ立証しなければならないからだ。

立証責任は検察側にあり、しかも「合理的な疑いを超える程度の証明」が必要とされる。言い換えれば、有罪とすることに疑問の余地がある場合は「無罪」としなければならない。「疑わしきは被告人の利益に」や「無罪推定の原則」とは、このことである。

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