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銀行が定年世代を狙う「退職金プラン」の落とし穴 投信の手数料が高く、「買ってはいけない」商品

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預金の高金利をうたう銀行のプラン。しかし落とし穴には要注意だ。

銀行の「退職金プラン」の案内
銀行の「退職金プラン」は預金と投資信託がセットになっていることが多い。投信の手数料が曲者だ。画像は一例(編集部撮影)

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退職金は、長年働いたご褒美ではない。退職後の長い人生を過ごすために必要な生活資金だ。おかしな金融商品で運用して大損すると、老後の生活プランそのものを大きく見直さなければならなくなる。だから決して安易に運用先を決めてはいけない。

しかし退職によって自分の預金通帳の残高が1000万円、あるいは2000万円と一気に増えると、何か運用したほうがいいと思ってしまう人がいる。

「1000万円もの大金を、何もせずに置いておくのはもったいない」「でも、どうやって運用すればよいのかわからない」

この心理状態に、犯罪まがいの投資を勧誘してくる連中が付け込む。高齢者が狙われるのは、退職金を受け取ったことで一時的に手元資金が大きく膨らんだものの、どうやって運用すればよいのかわからず、「何か有利な運用方法はないものか」と漠然と探している人が多いからだ。

そこに付け入ろうと近づいてくるのは、悪い連中だけではない。銀行もそうである。

やり方は合法で巧妙だ

銀行には失礼かもしれないが、退職金を狙って自分の商売につなげようとしている点では似たようなものだろう。しかも銀行のやり方は合法で巧妙だ。銀行は預金者の口座に退職金が入金された時点で即それがわかる立場にあるだけに、より効率的に退職金の預け先を提案できる。

その銀行が、退職者向けに勧めているのが「退職金プラン」なるセット商品だ。どこの銀行でも同じような商品を扱っている。

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