「息子が血を吐いた」想像を超える詐欺の最新手口 狙われる高齢者、食い尽くされる親のカネ
息子「お母さん、まずいことになった。病院では携帯が使えないから公衆電話で仕事の電話をしていたんだけど、財布と書類を棚の上に置いてきちゃったんだ。急いで戻ったんだけど、なくなっていた。今、病院の警備室に説明してきたところ。緊急事態だからお母さんも電話のそばにいてくれる?」
田中さんはさらに動揺する。しばらくすると、また電話が鳴った。
警備員「名大病院の警備室です。落とし物の届け出があったので捜してみたのですが、財布も書類も見つかりませんでした」
5分後、再び電話が鳴る。
息子「警備の人に捜してもらったんだけど見つからなかったみたい。実は書類の中に会社のカードが入っていて、今日中に取引先に支払わなければならない案件があるんだ。ちょっと上司に代わるね」
上司「あ、お母さんですか。支払いの件は、私が今親戚中に頼んでお金をかき集めていますから、心配しなくても大丈夫ですよ」
「いくらなら出せそう?」
息子「書類をなくしたのは僕なのに、上司がお金を集めてくれているんだ。お母さん、うちが一銭も出さないわけにはいかないから、ちょっとだけでも出せないかな」
田中「いくらあったらいい?」
息子「いくらなら出せそう?」
田中「この時間だと銀行はもう閉まっているけど、ATMなら1日50万円までなら引き出せるから。今から行っておろしてくるよ」
息子「ありがとう。そしたら、これから上司と一緒に帰るから」
田中さんはタクシーを呼び、ショッピングモールに向かった。ATMコーナーに並ぶ三菱UFJ銀行、名古屋銀行、ゆうちょ銀行から50万円ずつ、計150万円を引き出し、自宅に戻った。
そこへまた電話が鳴る。
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